神村学園・正林 最後の夏終わる 流した涙はプロの舞台で晴らす 志望届「出します」
「全国高校野球選手権・準決勝、関東第一2-1神村学園」(21日、甲子園球場)
甲子園で迎えた最後の夏。流したのは悔し涙だった。プロ注目の神村学園(鹿児島)の正林輝大外野手(3年)は「(甲子園は)最初は夢から始まったけど、日本一を目指す場所に変わった。悔しいです」。声を震わせながら言葉を絞り出す姿に悔しさがにじんだ。
流れはつかんだ。0-0の四回1死。「今大会は自分が塁に出た時に毎回得点できていた。なんとか塁に出ようとという考えだった」と追い込まれながらもしぶとく中前打。先制点を導く一打となった。
だが1-0の七回には自身の失策も絡み、逆転を許す。1点を追った九回には、先頭から二ゴロに倒れ、決死のヘッドスライディングも実らず。その後打線は満塁の好機を呼んだが惜しくも敗れ「序盤は良い感じで攻撃できていたけど、一気に流れを渡してしまった」と涙をのんだ。
それでも、正林には夢の続きがある。プロ野球選手になることだ。「(プロ志望届けは)出します」。夏の終わりを実感しながらも、強いまなざしで前を向いた。
神村学園野球部での2年半。「(小田監督は)日本一の指導をしてくれる監督さん。その監督さんが声をかけてくれたことを信じて、このまま進んでいきたい」。新たなステージへ、歩みを進める。
◆正林 輝大(しょうばやし・こうだい)2006年6月15日生まれ。18歳。178センチ、84キロ。佐賀県出身。右投げ左打ち。外野手。小学1年から「諸富南少年」で野球を始める。中学は諸富中学校の軟式野球部で三塁手としてプレー。神村学園では2年夏からベンチ入り。高校通算19本塁打。