京都国際 W左腕リレーで日本一!中崎9回0封、西村延長十回2死満塁K斬り「最後の一球は中崎に教わったスライダー」

 優勝を決め喜ぶ京都国際・中崎(左)、西村(同3人目)ら京都国際ナイン(撮影・石井剣太郎)
 5回、先発で力投を見せる京都国際・中崎(撮影・今井雅貴)
 力投する京都国際・西村(撮影・石井剣太郎)
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 「全国高校野球選手権大会・決勝、京都国際2-1関東第一」(23日、甲子園球場)

 決勝が行われ、京都国際が関東第一(東東京)に延長十回タイブレークで勝利し、春夏通じて初の甲子園大会優勝を果たした。先発の中崎琉生投手(3年)が9回無失点の好投を見せれば、延長十回は西村一毅投手(2年)がリードを守った。チームを支えてきた“ダブル左腕”のリレーで、日本一をつかみ取った。

 聖地のど真ん中で両拳を突き上げた。西村が延長十回から登板。京都勢にとって68年ぶりの甲子園制覇を決め、歓喜の輪に包まれた。

 「2点をもらったので、最後は自分が抑えないといけない。強い気持ちでいきました」

 2-0の延長十回タイブレーク無死一、二塁。自身のミスも絡み、満塁から遊ゴロの間に1点を許したが、2死満塁から最後は空振り三振に斬(き)り優勝投手に。延長十回の攻撃では、先頭から自身の判断でバスターし、2得点につなげた。勝った瞬間は「頭が真っ白になった」と、はにかんだ。

 2年生には見えぬ堂々としたプレーの裏に、挫折もあった。昨年6月の練習試合で左足を骨折。立て続けに新型コロナウイルスに感染し、約1カ月間、野球ができない時間があった。コロナでの自宅療養期間には母・則子さんに「もう辞める」と涙を流し、初めて弱音を吐いた。コロナから復帰してもまだ治らない左足に心をふさぎこみ、寮の自室にこもった。

 そんな中、支えになったのは仲間の存在だった。則子さんは「同級生が毎日部屋をのぞきに来てくれたり、声をかけてくれて…。それで救われました」と言う。同室だった出村は、同じベッドで添い寝してくれたこともあったという。この日もアルプスから大声援をくれたチームメート。力をもらい、頂点に導いた。

 9回を無失点に抑えたエース・中崎から託されたバトンだった。西村の登板中には中崎が監督に頼み込み、自ら伝令へ。ピンチを招いたが「ここでひるんだら負けや」と伝え、背中を押した。西村が投げ込んだ最後の決め球は、中崎に教えてもらったというスライダー。「最後の1球は気持ち良かった」と中崎。互いに支え合った“ダブル左腕”で、日本一をつかみ取った。

 ◆中崎 琉生(なかざき・るい)2006年8月19日生まれ。18歳。178センチ、78キロ。兵庫県出身。左投げ左打ち。投手。小学3年から高木少年野球団で野球を始める。瓦木中時代は関メディベースボール学院に所属。京都国際では1年秋からベンチ入り。最速144キロ。持ち球はカーブ、スライダー、カットボール、チェ

 ◆西村 一毅(にしむら・いっき)2007年7月7日生まれ、17歳。177センチ、66キロ。滋賀県出身。左投げ左打ち。投手。小学2年から水口少年野球団で野球を始める。水口中では近江ボーイズで外野手としてプレー。京都国際では1年秋からベンチ入り。最速143キロ。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。

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