関東第一 悲願の初優勝にあと一歩届かず エース坂井、18回2/3自責0 プロ志願も監督と相談

 7回、京都国際・奥井を一ゴロに打ち取る関東一・坂井(撮影・石井剣太郎)
 あいさつを終え引き揚げる関東第一ナイン(撮影・石井剣太郎)
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 「全国高校野球選手権大会・決勝、京都国際2-1関東第一」(23日、甲子園球場)

 母が待つスタンドへあいさつを終えると、涙がこぼれた。届かなかった頂点。「最高の仲間、最高の監督と、最高の場所でできた。最高の喜びで終わりたかったですけど…」。初優勝を逃し、関東第一(東東京)の坂井遼(はる)投手(3年)は悔しさをにじませた。

 0-0の七回から2番手で登板し、九回まで無失点。だが、延長十回タイブレークで先頭にバスターを許し満塁のピンチを招くと、次打者には全球直球で勝負も先制の押し出し四球を献上。そのまま無念の降板となった。

 「弱さが出た。自分のせい」。ただ、「思い切り投げた結果。全力を出し切った」と悔いはない。今大会は自己最速151キロを記録し、全5試合に救援して計18回2/3を自責0。めざましい成長を遂げ「甲子園は人生が変わる場所」と振り返る。

 中学3年時は制球難や人間関係などで苦しんだことも。それでも、女手一つで育ててくれた母・一恵さん(43)の「野球だけは続けなさい」という言葉を道しるべに、夢舞台の決勝へとたどり着いた。「もうちょっと監督さんと話して」と明言はしなかったが、プロ入りへの思いは強い。「母に『ありがとう』と伝えたい」と坂井。恩返しの投球は、これからも続く。

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