高校野球芸人・かみじょうたけしが見た 「日本一速い伝令」が日本一に貢献した夏

 京都国際の優勝で幕を閉じた今大会、小牧監督が優勝インタビューで言われていました。「こんなオッサンに素晴らしい夏休みをもらえたなと」。いやいや、こちらこそありがとうございます。そんな気持ちです。

 個人的な話になりますが、決勝で1番を打って、押し出し四球で1点をもたらした京都国際の金本祐伍君は、昔から知っている子なんです。松竹芸能の芸人がお世話になっている焼き肉屋さんの社長のおいっ子であり、お父さんは京都・洛南高の陸上部で森脇健児さんの後輩なんです。

 春のセンバツでは背番号2桁で、一度伝令で出た時の走りがむちゃくちゃ速くて。「日本一速い伝令やなあ」と言うてたら、森脇さんから「当たり前や、お父ちゃんは洛南の陸上部やぞ」と返されたことを覚えてますが、夏はレギュラーとして日本一に貢献。小さいころから知っている子の活躍が本当にうれしくて。

 そのスコアレスで延長に突入した決勝に話を戻すと、甲子園100周年の節目で、改めて時代の流れを感じるところがありました。過去を振り返ると、決勝では得点の入る試合が多かったんです。大会の最後で投手の疲労との関係かなと思いますが、今は球数制限もあり好投手が2人いるチームが増えました。疲労も分散できて、より良い状態で決勝に挑めることの表れなのかなと。もちろん今大会は新基準のバットも関係しているかもしれないですが。

 あとは、もちろん絶対ではないですが「エラーした方が負ける」という言葉がある中で、二つエラーを記録した京都国際が勝ったということです。まず九回2死一、二塁からのエラーで満塁。さらにタイブレークの延長十回無死一、二塁からで満塁という、敗戦につながるミスとも思えますが、その上をいくものというのでしょうか。

 エラーがダメ、で止まるのではなく、エラーが出たらどう助けるか、どうカバーするのか、というところに意識を持っていけているように映りました。ミスで萎縮しない空気感があり、エラーが出ても勝つぞという気持ちが見えて実際に優勝したところに、新しいものを見させてもらった気がしますし、同時に思い返したのが7月6日、わかさスタジアム京都での京都大会の開会式です。

 そこでの松井京都市長のあいさつ。一語一句合っているわけではないですが「夏の甲子園の、深紅の大優勝旗は西陣織でできています。京都がつくった大優勝旗を、どこかのチームがぜひ持ち帰ってください」と。京都大会の開会式で全国優勝の話はまだ早いでしょ(笑)というのが素直な感想でしたが、結果的に68年ぶりに持ち帰る形になり、京都の方も喜ばれていると思いますし、本当に素晴らしい大会、ありがとうございました!!

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