巨人・坂本「負けられない」同学年・大野撃ち 意地のV弾5号2ラン 2連勝でリーグ最速60勝

 「巨人2-0中日」(25日、東京ドーム)

 意地と執念が詰まっていた。渾身(こんしん)のひと振りで勝負を決めた。決勝弾をかっ飛ばした巨人・坂本勇人内野手は「今年は特にフェンス手前で失速することが多い。何とかいってくれと思いながら。フェンスを越えて良かった」と笑みを浮かべた。

 七回1死一塁。「思い切っていける要素しかなかった」。初球の直球を振り抜いた。飛んでいく白球を見つめながら、珍しく雄たけびを上げた。打球は左翼スタンドに消える。先制の5号2ラン。6月14日の日本ハム戦以来、約2カ月ぶりの一発に阿部監督は「本当に大きなホームランでしたね」と目を細めた。

 燃える材料があった。相手先発は同学年の大野。「彼もケガしながら、苦しんでいる姿も見ている」。打線は六回まで無安打に抑え込められ、「何も感じないこともない。本当に思うところがありました。負けられないって気持ちで」。内に秘めていた闘志。同じベテランに触発され、値千金のアーチを放った。

 チームは重要な一戦で勝利を収めた。2連勝としてリーグ最速で60勝に到達。「カープにしがみついていきたいなと思います」と言葉に強い力を込めた指揮官。背番号6も「久々に優勝争いできている。絶対優勝できるように頑張ります」と力強く誓った。大黒柱が逆転Vへの号砲を鳴らした。

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