巨人阿部慎之助監督（４５）が２９日、勝負の９月を前に先発陣の中５日登板、リリーフの３連投を解禁する考えを明かした。残り２６試合のうち、２位・広島と敵地で６試合、３位・阪神とも同４試合を残す状況。ついにリミッターを解除し、逆転優勝に弾みを付ける。

　「取りこぼしと言っても、どこも必死だからね。広島、阪神と直接対決でいかに勝つか。それしかない」。ＣＳ制度が採用されて以降、秋の消化試合は格段に減った。下位チームも最後まで望みをつなぐ９月。だからこそ、勝ち負けで１ゲームの差がつく直接対決が、優勝を争う上でより重要度を増す。

　３０日の阪神戦には中７日でエース・戸郷を起用。台風１０号の影響で開催は微妙だが、中止なら翌３１日の同戦にスライドさせる。「勝てる投手、勝っている投手を阪神と広島に当てていく」。これまで戸郷で１試合しかなかった中５日登板も、「智之をずらしたりする」とリーグトップ１２勝の菅野を、勝負どころでフル回転させるプランも温める。

　リリーフの禁も解く。今季３連投は５月２８～３０日のソフトバンク戦に登板した高梨１人。２連投なら翌戦はベンチからも外すなどしてきたが、阿部監督は９月から３連投解禁を明言。「なるべくはないようにしたいけど、勝てる試合は勝ちたい。バッテリーミーティングに出て投手にお願いする」と、自らの言葉でラストスパートの合図を送る。歓喜のセプテンバーに向け、総力戦が始まる。