ヤクルト・青木 笑顔のち涙の引退会見“100点満点”戦い、走り続けた21年間「監督もやってみたい」

 青木と花束贈呈で涙する村上
 現役引退の記者会見で、感極まる青木
 山田(左)、村上(右)から花束を受け取る青木
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 ヤクルト・青木宣親外野手(42)が13日、今季限りでの現役引退を表明し、都内の球団事務所で会見を開いた。努力と探究心で走り続けた21年間に悔いはない。NPBではヤクルト愛を貫き、海を渡ってメジャーにも挑戦。「100点満点」の野球人生を振り返り、終始笑顔の会見だったが…。山田、村上が花束贈呈でサプライズ登場。号泣する後輩を前にベテランも最後は涙腺決壊。顔を手で覆って男泣きした。

 「諦めなかったよ」-

 野球を始めた小学1年生の自分に、少しだけ胸を張った。晴れやかな表情を浮かべた青木が笑う。戦い、走り続けた21年間がある。どんな苦境でも諦めず、道を切り開いてきたゴールテープだ。

 決断に至った理由は、実に青木らしかった。「自分のパフォーマンスがなかなか出せない、今年の成績を見ても、後輩たちに示しがつかないなって」。抹消後も1軍に帯同しながら模索。志願で2軍戦にも出場した。そんな日々の中、「やっぱり若い子たちも成長しているのはすごく感じた」と言う。後輩たちの頼もしさがうれしかった。

 心に決着をつけたのは「最近」になってからだ。これまで支えてくれた妻、原動力になった2人の子どもたちが涙する姿に、「やっぱりプレーをいつまでも見ていたかったでしょうし。子供に伝えるときがやっぱり一番辛かったですね」と振り返ると同時に感謝した。

 会見には山田も駆けつけ、村上は涙で目を真っ赤に染めた。これまで6年間、合同自主トレで寝食を共にしてきた師弟関係がある。顔を覆いながら肩を震わせる後輩の姿に、青木も「俺も涙出てくるよぉ。やめてくれよぉ」ともらい泣き。会見が始まり、30分後。笑顔の引退会見が、後輩の思いに触れ涙に染まった。

 努力と探究心で叶えてきたいくつもの夢。04年にドラフト4位で入団してから、2年目に大ブレーク。12年からはメジャーにも挑戦し17年には日米通算2000安打に到達。18年には愛着ある古巣に復帰すると、21年には悲願の日本一に人目をはばからず涙した。

 今後についても「野球がいまだに好き。監督もやってみたい。野球絡みは全部、興味がある」と笑う。今後は指導者の道を含めて模索していく予定だ。「ファンの歓声が自分の中にダイレクトに伝わる瞬間が、ものすごく幸せな瞬間でした」。積み重なった日常の幸せよ、ありがとう。歴代5位の日米通算2723安打。誇りと結果を胸に、惜しまれながらユニホームを脱ぐ。

 ◆青木 宣親(あおき・のりちか)1982年1月5日生まれ、42歳。宮崎県出身。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。外野手。日向から早大を経て、2003年度ドラフト4巡目でヤクルト入団。首位打者3回、最多安打2回、盗塁王1回、最高出塁率2回、新人王、ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞7回。12年にポスティングシステムでブルワーズ移籍後、17年までMLB在籍。18年にヤクルトで日本球界復帰。06・09・17年WBC、08年北京五輪日本代表。

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