DeNA 山本骨折離脱に一丸 「祐大のために」ベンチに背番号50ユニ掲げ18安打11得点爆勝

 広島に大勝し、勝利のタッチを交わす牧(中央)らDeNAナイン(撮影・市尻達拡)
 DeNAベンチにかけられた山本のユニホーム
2枚

 「広島2-11DeNA」(16日、マツダスタジアム)

 DeNAは逆境を一丸ではねのけた。前夜の試合で右手首に死球を受けた正捕手・山本祐大が「右尺骨骨折」と診断され、この日、戦線離脱。今季最大の危機が訪れたチームに不屈の闘志を注入したのは、主将・牧秀悟内野手だった。

 初回。森下のフォークを完璧にとらえると、打球は左翼席最前列で弾んだ。今季21号の先制ソロ。「祐大のためにというのもありますし、まずチームが勝つことが一番。きょう勝てて良かったなと思います」。背番号2の一撃が号砲となり、二回には6安打にスクイズも絡め一挙5得点。18安打の猛攻で3位・広島を沈めた。

 全員の思いに火が付いた。試合前、牧は、山本の背番号50のユニホームを携え、ベンチに掲げた。山本とは同じ98年生まれで、ともにリスペクトしあう間柄。この日、患部にギプスを装着し球場に姿を見せた山本からは「頑張ってくれ」とメッセージを受け取った。盟友の思いをチーム全体で共有したい。そんな牧の計らいだった。

 三浦監督は明かす。「きのう、死球を受けた後、祐大は『出ます』と言っていた。さすがに止めましたけど。気持ちの強い男。本人が一番悔しいはず」。力を込めた指揮官は「ベンチは入れなくても気持ちは一緒に戦っている。祐大のために、祐大と一緒に戦ってますし、これからも祐大のために、みんなで戦っていきます」と宣言した。全員の底力で、カープに再び1差に迫った。

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