日本ハム くも膜下出血から「奇跡的な回復」小村社長に快気祝いの勝利 新庄監督「なんとしてもこの社長のために勝つ」

 新庄監督(右)とタッチをかわす伊藤(撮影・石井剣太郎)
 13勝目を飾った伊藤(撮影・石井剣太郎)
 みずほペイペイドームでの今季最終戦を終え、ファンにあいさつに向かう新庄監督ら日本ハムナイン
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 「ソフトバンク0-3日本ハム」(18日、みずほペイペイドーム)

 日本ハムは伊藤が九回135球を投げて9安打無失点。2試合連続今季4度目の完封勝利でリーグ単独トップの13勝とした。チームはこれでソフトバンク6連勝。対戦成績を11勝11敗1分の五分とした。

 勝たなければいけない試合だった。この日は小村勝球団社長(58)が試合前に激励に訪れた。小村社長は6月にくも膜下出血で倒れ救急搬送された。本州から家族も呼び寄せる危険な状態だったが、開頭手術は成功。療養とリハビリを経て、この日は退院以来初めての球場訪問だった。

 新庄監督と全選手、スタッフは球場内の食堂で小村社長を出迎えるサプライズを演出。到着と同時に食堂に拍手が響いた。その瞬間、ひとみを潤ませた同社長は「びっくりしたよ。『後遺症はないけど、涙もろくなっている』と挨拶しました」と明かした。

 新庄監督は療養中に何度も見舞いに訪れたという。試合後は「きょうは小村社長が奇跡的な回復をして、初めて球場に来ていただいて。みんなの前に顔を見せてくれて。なんとしても今日はこの社長のために勝つぞという気持ちで試合に臨んだんでね」と格別の1勝をしみじみと喜んだ。

 伊藤も「小村社長のお話の中で、(療養中に)僕らに勇気づけられたっていう言葉をもらって。うるっとしたのが見えて、僕も今日はこれは絶対やんなきゃダメだっていうのはあったので。そういうところで喜ばせることができたかなって。喜んでもらえたかなって」と話した。

 快気祝いの勝利をプレゼントして、CS進出にまた一歩前進。さらに勝利を重ねることで、涙もろくいなったという小村社長の涙腺に響かせる思いだ。

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