ヤクルト・青木 引退表明後初打席で安打「かみしめながら打席に立ちました」敵、味方なく大きな拍手
「ヤクルト5-4広島」(18日、神宮球場)
ファンは皆、待ちわびていた。雨の降る神宮が大歓声に包まれる。現役引退を表明後、ヤクルト・青木が初めて登録されると代打で登場。「ファンの声援のおかげで、リラックスできた状態で打席に入れた。本当によかった」。日米通算2724安打で同点の起点になった。
1点を追う五回だった。先頭で代打が送られると大歓声が背中を押す。「かみしめながら打席に立ちました」。外角の変化球を崩されながらも芯で捉え、中前へ。その後は二塁に進むと、サンタナの適時打で同点のホームへと笑顔で生還した。
ベテランの下した決断がある。10月2日の引退試合まで残り少ない現役生活は、感謝を伝える時間だ。「引退試合に来られない方もいると思う。いいところを見せられるよう一生懸命やりたい」。そこに敵、味方はない。カープファンからも大きな拍手が送られた。
チーム青木と呼ばれる弟子たちもそろって活躍。村上のアーチに「素晴らしいパワー」と言い、長岡の適時打に「ああいう1点が勝ちにつながる」と喜んだ。ともに戦うのは引退試合を含めた残り10試合。残された時間全てをかけて、青木は戦い続ける。