ソフトバンク・山川 貫いた4番 移籍即2冠確実 覚悟のFAでV貢献「信念を持って」後半戦大爆発

 「オリックス4-9ソフトバンク」(23日、京セラドーム大阪)

 ソフトバンクが4年ぶり20度目(南海、ダイエー時代を含む)のリーグ優勝を果たした。西武からFAで移籍してきた山川穂高内野手(32)は、この日も2安打を記録するなど打線をけん引。昨季は不祥事で批判を浴びた中、不動の4番として移籍1年目から結果を残し、優勝に貢献した。

 笑顔で歓喜の輪に加わった。山川は、優勝を決めた一戦で2安打。「うれしく思います。(打てない時期に)周りがカバーしてくれた。大変助かりました」と喜んだ。覚悟を持って移籍した新天地で、本塁打王3度の実力を見せつけて貢献した。昨季、女性関係の不祥事で大批判を浴びながらも西武から国内FA権を行使して加入。「優勝するために僕はこのチームに呼ばれている」。不動の4番として、バットで結果を残し続けた。

 昨年の騒動後は、妻らと一度は現役引退についても話し合った。妻からも背中を押され「もう少し頑張ってみよう」と覚悟を決めて臨んだ1年だったが、決して平たんな道ではなかった。開幕戦で決勝の1号アーチを放ったが、5月後半からは苦しみ自己ワーストの30試合、130打席ノーアーチ。4番失格の声も上がる中「自分が4番にいて果たしていいのかという状況にも立たされた。僕にできるのは打つことしかない。考える暇があったら練習しよう」と無心でバットを振った。

 7月の球宴前夜、北海道で小久保監督らと食事会が開かれた。打撃談議が進み、初めて指揮官から技術面での助言を受けた。「覚悟を決めておけよ。どんなに悪くても最後まで4番を外さないから」と告げられた。小久保監督自身も1999年の福岡移転後初優勝時に4番の苦しみを味わった。山川は「信念を持ってやってくれる人に対して、僕も信念を持って最後まで貫きたい」。後半戦は大爆発。頼れる男が夏場の戦いをけん引した。

 こだわり続ける4番で歓喜の瞬間を迎えた。「代えてくれと思ったことはない。絶対に代えないでほしいと思ったことはいっぱいありますよ」。本塁打、打点の個人タイトルもトップを走る。「個人タイトルは優勝と同じぐらい大事にしている。全試合出るつもりですし、143試合最後まで貫いて全部クリアしたい」。まだまだ戦いは終わらない。

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