イチロー氏完投&松井秀喜氏3ラン 女子球児の前で夢競演 イチロー氏「人のプレー見て涙出たのは初めて」

 8回、右中間へ3ランを放ち、イチロー氏(左)と抱き合う松井秀喜氏(撮影・伊藤笙子)
 8回、右中間へ3ランを放つ松井秀喜氏
 高校女子選抜相手に力投するイチロー氏
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 「KOBE CHIBEN17-3高校野球女子選抜」(23日、東京ドーム)

 米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(50)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が所属する「KOBE CHIBEN」が23日、東京ドームで高校野球女子選抜とエキシビションマッチを行った。イチロー氏は「1番・投手」で出場し、投げては9回10安打10三振3失点(自責2)。打っては6打数4安打1打点の活躍で勝利した。4度目の開催となった中、3年連続参加の松坂大輔氏(44)に加え、特別ゲストとして米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(50)が初参戦。夢の競演に2万8483人が熱狂した。

 過去3度とは違う猛撃に火が付いた。イチロー氏は「スイッチが入りました」とニヤリ。高校生のパワーが一流の本気を引き出した。

 「ビビりました」と舌を巻いたのは初回だ。先発したイチロー氏は初球から、この日最速137キロを記録。だが、1死から左翼を守る松坂氏の頭上を越す二塁打を献上すると、松坂氏の悪送球が重なり三塁進塁を許す。この一打から4連打を浴び、まさかの初回3失点で先取点を奪われた。

 「あんなに芯食われるとは」と驚嘆。それでも、真剣勝負で以降はゼロを並べ、9回141球の熱投で4年連続の完投勝利を決めた。さらに打席では、初回先頭で逆転の起点となる右前打を記録。2本の二塁打も放ち、10月で51歳を迎えるとは思えぬ打撃で魅了した。

 ただ、最後に話題をかっさらったのは4番の松井氏だった。八回に豪快な右越え3ランをマーク。初回の守備で右脚を痛めており臨時代走を要求したものの、イチロー氏から「走れ」のジェスチャーを受け、ゆっくりとダイヤモンドを一周。ヤンキース時代の2004年以来、20年ぶりとなる東京ドームでの一発にファンは大興奮だった。

 イチロー氏は「人のプレーを見て涙が出たのは初めて」と感激。松井氏は「女子野球のレベルの高さに驚きました。来て良かった」とうなずいた。試合後には選手たちと笑顔で言葉を交わした両氏。球界の先頭を走ってきたスターがタッグを組み、さらなる発展に尽力していく。

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