「日本ハム７－６ソフトバンク」（２８日、エスコンフィールド）

　躍進を象徴する粘り強さだった。日本ハムは九回、守備のミスがあった水野が７号同点ソロ。さらに満塁として代打マルティネスが右前に落ちる決勝打を放った。試合中に楽天が敗れ２位が確定していたが、１０度目のサヨナラ勝ちで花を添えた。

　「１位じゃなかったら２位も３位も一緒なんで。クライマックスに出ること、ここからが勝負なので。悔しさの方が強いかな」。新庄剛志監督は表情を崩さなかった。

　強さは本物だ。ソフトバンク戦７連勝で負け越しがなくなった。オリックス戦は５割。残り３球団には勝ち越し。２年間、パの全球団に負け越したチームが、今季は負け越しなしを確定。「“全チーム勝ち越し”って書いてください。負けてないんだから」と笑った。

　ホームで戦うＣＳ。「ファンの方たちの前で見せるのもめちゃくちゃうれしいし、選手たちも乗れますし」。勝ち抜いて乗り込む福岡。「対策？もうだいぶ前からできていますよ」と短期決戦への備えはある。

　「きのうお姉ちゃんからメールがきて『あんた変わらんね』って。小学校の時１回だけマラソン大会で負けたんですよ。転校生に。で、『２位も３位も１００位も一緒やー』って号泣してたらしいんですよ」

　負けず嫌いエピソードを明かした新庄監督。悔しい２位。「でもここから最終的な１位は取れる可能性はある。１位で終わるという気持ちはあります」。下克上日本一を思い描いた。