「楽天１－５ロッテ」（１日、楽天モバイルパーク）

　ＣＳ進出を決める最後のアウトを奪った瞬間、グラブをたたき、ぐっと喜びをかみしめた。ロッテ・佐々木が２０２２年４月１０日・オリックス戦で完全試合を達成して以来２年半ぶりの完投勝利。自身初の２桁勝利を達成した。

　「初回に先制点を与えたのは反省かなと思うんですけど、立て直して先頭バッターを抑えながら最後まで投げ切れて良かった」

　初回は制球に苦しみ連打と暴投で先制点を献上したが、そこからは楽天打線を手玉にとった。四回から七回まで４イニング連続で三者凡退。この日最速１５７キロの直球とスライダーで、着実にアウトを重ねていった。。

　淡々と腕を振っていたが、気迫もあふれる投球だった。八回には２安打を浴び２死一、三塁とピンチを背負ったが、小深田を二ゴロに打ち取り腹の底からほえた。ネット裏から米大リーグ１０球団が視察する中で１０奪三振、無四球完投。「全体的にまとまっていた。まっすぐも前回より修正できた」とうなずいた。

　今季最終登板を終え、「最後まで思うような投球はできなかったけど、それでも野手、リリーバー、コーチに助けてもらって勝てた。悪いなりには最後まで頑張れた」。右上肢のコンディション不良などで２度の離脱。苦しんだ時期もあったが、大一番は右腕の投球で勝利を決めた。

　次の舞台に進んだ。ＣＳファーストＳでは、今季負け越しが決まっている日本ハムと戦う。ヒーローインタビューに登場した佐々木は「日本シリーズに行って、日本一になれるように頑張ります」。ファンの前で、まずは目の前の難敵を撃破することを誓った。