中日 新監督に井上2軍監督 球団が就任要請方針固める ウエスタン2位の手腕評価

 中日が2日、来季の1軍監督として井上一樹2軍監督(53)に就任要請する方針を固めた。球団は成績不振のため退任を表明した立浪和義監督(55)の後任選びに着手する中で、井上2軍監督がチームをウエスタン・リーグの2位に押し上げた実績や、モチベーターとしての能力を高く評価。発展途上のチームの強化を託すことを決断した。レギュラーシーズン終了後に要請する見通しとなっている。

 発展途上のチームを強くするために必要なものは「陽の気」-。球団が次期監督として井上2軍監督に1軍監督の就任を要請することを決めた。

 井上2軍監督は昨年10月の就任会見で「今は陽の気というか、明るいものが足りない。借金が重なると『きょうも負けた』とすぐなってしまう。勝ちたい気持ちがあれば陰が陽に変わっていく」と述べると、宣言通りにチームを改革した。

 開幕直後からウエスタンリーグの上位を快走し、9月下旬まで優勝争いを演じた。昨季借金37で最下位に沈んだチームとは思えない堂々の戦いをみせた。選手では、開幕2軍だった福永や石川昂を1軍に送り込み、育成だった松木平は7月に支配下契約を勝ち取った。

 9月18日の阪神戦(バンテリン)の試合後に立浪監督が退任を表明したことを受け、球団は後任選びに着手。立浪監督が若手を積極起用してきた路線を継承しつつ、停滞する空気をガラリと変えてくれる指導者として井上2軍監督に要請することを決断。モチベーターとしての手腕が高いことに加え、阪神でヘッドコーチを務めるなど、指導者としての経験も豊富であることも追い風となった。残り3試合となっているシーズンの終了後に正式に要請する。

 ◆井上 一樹(いのうえ・かずき)1971年7月25日生まれ、53歳。鹿児島県出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手。鹿児島商から89年度ドラフト2位で中日入団。09年現役引退後は中日1軍打撃コーチ、2軍監督などを歴任。20年から阪神1軍打撃コーチ、同ヘッドコーチを歴任。24年に中日2軍監督。NPB通算成績は1215試合で打率・275、79本塁打、349打点。

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