巨人戦力外 ドラ1左腕はなぜ伸び悩んだのか-「イップスまでいかないがあそこまで悪くなるとは」評論家の視点

 巨人・高橋優貴=23年6月
 巨人・高橋優貴の体付近への投球に倒れ込む阪神・近本光司=2023年8月
 オリックス・森友哉に先制適時二塁打を許す巨人・高橋優貴。三回途中KOとなった=2023年6月7日
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 巨人は4日、高橋優貴投手(27)と鈴木康平投手(30)に来季の契約を結ばないと通達したと発表した。

 高橋優は茨城県出身で東海大菅生-八戸学院大から2018年ドラフト1位で巨人に入団。1年目の19年に5勝(7敗)し、3年目の21年には2桁11勝(9敗)を挙げた。

 しかし22年は1勝に終わり、同年オフに左肘のクリーニング手術を受け育成契約に。23年に支配下に復帰したが勝ち星は挙げられず、今季はここまで1軍登板がなかった。ファームでも2試合の登板で、防御率6・00だった。

 左のエース候補として期待された逸材はなぜ伸び悩んだのか。巨人OBでデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「高橋の中学時代(友部リトルシニア)の監督が巨人OBで教え子の原田だから、注目していたんだけどな。2桁勝ってから突然、コントロールが悪くなったんだよな」と語った。

 高橋は八戸学院大で急成長を遂げ、リーグの奪三振記録を更新。巨人にドラフト1位で入り、1年目から18試合に先発した。関本氏は「3年目に11勝を挙げて、翌年も最低でも6勝から8勝はすると思っていた。今年の井上とはタイプが違うが、真っすぐは威力があるし、スライダーもキレがあり、完璧に独り立ちしたと思った」という。

 だが、4年目はわずか1勝。26回2/3で18四球と制球に苦しんだ。関本氏は「一気に壁に当たってしまった。イップスまでいかないが、カウントも取れない。もともと制球がいいタイプではなかったとはいえ、あそこまで悪くなるのは珍しい。けがもあったが、打たれた経験や『フォアボールを出してはいけない』、そういったメンタル的なことでフォームを見失ってしまったんだろうな」と、伸び悩んだ要因に触れた。

 今季、3軍では17登板で6勝2敗、防御率2・03。71イニングで26四球だった。「この2、3年は彼にとって非常にストレスのある野球人生だったと思う。突然制球が悪くなった年も、指にかかった時は140キロ後半で素晴らしい球を投げていた。まだまだ1球団で終わるのはもったいない。環境を変え、指導者も変わればまだ可能性はあると思うけどな」

 まだ27歳。その才能を高く評価していた関本氏は再起を期待した。

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