中日・田島慎二、涙と竜愛溢れる引退スピーチ 祖父江、大野に「一番寂しいでしょ?俺もキツい」小笠原イジりに騒然「来年どこでやってるか…」
「中日4-3DeNA」(5日、バンテリンドーム)
今季限りで現役引退する中日の田島慎二投手の引退セレモニーが行われた。
苦楽をともにしてきた祖父江、大野、小笠原、そして3人の子供たちから花束を渡され、涙をぬぐいながら立ったスピーチ。「幸せです。感謝しかありません。名古屋で生まれ、名古屋で育ち、野球を知り、野球を通じてたくさんの方々に出会い、僕は成長できたと思います」と感謝の言葉を並べた。
そして、ここからはチーム愛に溢れる言葉を紡いだ。まずはこの日先発した小笠原に「今日先発した慎之介(小笠原)。本当に気持ちの熱いやつですごい準備してくれたと思います。1年目、トイレで泣いてたのを思い出すと、今じゃ考えられない」と言葉をかけ、「来年どこでやっているか分からないけど、どこにいってでも全力で応援したいと思います。頑張ってくれ」と話すとどよめきが起こった。
さらに「そして(高橋)周平、ユニホーム着てないので並んでないんですけど、同期でドラ1、やっぱり最後まで残ったのが周平で。わがままで、本当にかわいいやつで、でも最後まで練習するやつです。まだまだ期待しています。1年でも長く続けてください。俊哉(岡田)、お前はずっとくっついてきて、本当可愛い後輩で、大きな怪我で、ここまで回復してるのすごい。来年2桁になってここで投げているのを期待しています。祖父さん、大野さん、一番寂しいでしょ?俺もキツい。もっと一緒にやりたかった。2人がいたからここまでできた。一生応援してるし、一生兄弟家族そう思ってます」と、語り続けた。
ソフトバンクの又吉、日本ハムのマルティネス、郡司、山本の元中日勢、元横綱稀勢の里 二所ノ関親方からもメッセージが届いていた。
試合では七回に登板。DeNA・三浦大輔監督は元中日の京田陽太を代打に送る粋な采配をみせた。田島は京田を空振り三振に打ち取ると、天を仰ぎ、万感の表情で最後は笑顔を浮かべて、京田に手を出して感謝。マウンド上でナインと握手を交わして、マウンドを降りた。観客席は背番号「12」のボードを掲げたファンで埋めつくされた。ベンチでは小笠原らナインが涙。京田も打席で涙を浮かべていた。
田島は中日一筋で試合前までで通算461試合に登板。2017年にはクローザーとして34セーブをマークした。2020年4月には右肘のトミー・ジョン手術を受け、2年連続で大幅な減俸も経験。それでも最後は満員の本拠地のファンに見守られ、13年のプロ野球人生の有終のマウンドを飾った。チームはサヨナラ勝ちで、功労者の花道を飾った。