近工大2季ぶりV 1年生4番・吉田決めた 花本監督も信頼「トータルで能力が高い」
「広島六大学野球、近工大5-3広経大」(6日、東広島アクアスタジアム)
近大工が広経大に逆転勝ちし、2季ぶり56度目の優勝を決めた。1年生ながら今秋季全試合で4番に座る吉田祐大内野手が、決勝の2点適時二塁打を含むマルチ安打で勝利に貢献。チームは明治神宮大会(11月20日開幕)の出場を目指し、26日の中国四国代表決定戦に臨む。
先輩たちがつくった歓喜の輪へ、吉田は最高の笑顔で勢いよくで飛び込んだ。最大のライバル・広経大に連勝しての自身初優勝。すでにチームの主力に定着している1年生は「強い相手に勝てて優勝なのでうれしいです」と初々しく振り返った。
見せ場は1点を追う五回に訪れた。無死一、三塁。「負けている状況だったので、4番の仕事をするだけ」と気合十分で打席へ向かった。1ボールからの2球目。甘く入ったスライダーを逃さなかった。打球は左中間を真っ二つに破り、2走者が生還。逆転の一打を放ち、ガッツポーズを繰り出した。
今秋季は全11試合で4番に座る。開幕前に4番起用を伝えられた時は「少し緊張もあった」と話すが、「チャンスは得意なので」。ここまでチームトップの12打点をマークするなど、持ち前の勝負強さを遺憾なく発揮し、打線をけん引した。
花本輝雄監督(59)も厚い信頼を寄せる。「トータルで能力が高い。まだまだ伸びる選手」とさらなる成長に期待。「(この秋季は)いい経験になったと思う。力を抜いてやってほしい」と目尻を下げた。
チームは神宮大会出場切符をかけ、26日の中国四国代表決定戦に臨む。「お世話になった4年生と最後、東京に行って終わりたい。チャンスで一本打てるように」と吉田。成長著しい若き4番が全国の舞台に導いていく。