岸田政権誕生へ「オリックス・バファローズ」元選手から初の指揮官 中嶋イズム間近で経験、選手からの“支持率”大
オリックス新監督の最有力候補に挙がる岸田護投手コーチ(43)が就任要請を受諾する可能性が高いことが8日、分かった。6日に中嶋聡監督(55)が退任。球団は同日に岸田コーチと面談し、この日までにすでに打診をしているもよう。現役での14年間とコーチ生活を合わせて計19年間、オリックス一筋で歩んで来た男に再建が託される。投手出身監督の誕生となれば、前身の阪急時代の80年・梶本隆夫以来、44年ぶりとなる。
球団に新たな歴史が刻まれそうだ。新監督の最有力候補に挙がっている岸田投手コーチが、来季の指揮を執る可能性が高まった。オリックス・バファローズで現役選手を経験した中では、初の指揮官となる方向だ。
7日に仙台空港で取材に応じた際には「僕から言えることは何もないですね」と話すにとどめた岸田コーチ。この時点で、球団からは来季のポストを打診されていたとみられる。さらに、ある球団関係者は「岸田コーチを軸として組閣を進めていると思う」と明かす。
勝利と育成を掲げてリーグ3連覇&22年の日本一に貢献し、6日に退任を表明した中嶋監督の野球を知る指導者としても、期待される立場だ。選手からの信頼も厚く、現役時代は、今も現役を続ける平野佳らと投手陣の中心だった。今度はチームの将として、球団から再建の期待を寄せられている。
今季総括で中嶋監督が語った「全力疾走、攻守交代(のダッシュ)などどれだけ言っても改善されなかった部分がある。(3連覇を経て)慣れが強く出てしまった。新しいことを始める時に、やっぱり新しい人がやるべき」という言葉は重い。今は、新体制によって生み出される新たな空気感や緊張感が必要となる。
投手出身監督の誕生となれば、オリックスでは史上初のこと。前身の阪急時代を含めれば、1979~80年まで指揮を執った梶本隆夫監督以来、44年ぶりだ。岸田コーチの存在が新たな風となり、オリックスの未来を変えていく。
◆岸田 護(きしだ・まもる)1981年5月10日生まれ、43歳。大阪府出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。履正社から東北福祉大に進学し、NTT西日本を経て2005年度大学・社会人ドラフト3巡目でオリックス入団。通算成績は432試合登板で44勝30敗63S、防御率2・99。19年引退し翌年からオリックス投手コーチ。