３年連続最下位から巻き返しを図る中日が、ダイエー、ソフトバンクで活躍し、０４年に平成唯一の三冠王に輝いた松中信彦氏（５０、写真）をコーチとして招聘（しょうへい）することが分かった。

　井上新監督を迎えたドラゴンズが、課題である得点力不足の解消に向けて切り札を招き入れる。松中氏は１９９６年度ドラフト２位（逆指名）でダイエーに入団。１９年間の現役生活をホークス一筋で過ごし、通算３５２本塁打、１１６８打点を記録したスラッガーだ。

　中日は今季、セ・リーグで唯一３００点台となる３７３得点に終わり、得点数は５年連続でリーグワースト。チーム得点圏打率・２２６もリーグ最下位だ。チャンスをつくってもあと１本が出ない…。そんなもどかしい試合をいくつも落としてきた。松中氏には打撃を含めた攻撃部門のコーチを任せると見られる。

　同氏は実績もさることながら、リーグ優勝を７度、日本一を５度も経験。常勝軍団の主軸としてチームを頂点に導いた「勝者のメンタリティー」も竜戦士にとって貴重な糧になりそうだ。

　◆松中　信彦（まつなか・のぶひこ）１９７３年１２月２６日生まれ、５０歳。熊本県出身。現役時代は左投げ左打ちの内野手。八代一から新日鉄君津を経て９６年度ドラフト２位でダイエー入団。０４年に三冠王。他に首位打者２回（０４、０６年）、本塁打王２回（０４～０５年）、打点王３回（０３～０５年）。１６年３月に現役引退表明。ＮＰＢ通算１７８０試合で打率・２９６、１７６７安打、３５２本塁打、１１６８打点。２１年にロッテで臨時打撃コーチ。９６年アトランタ五輪、０６年ＷＢＣ日本代表。