「ＪＥＲＡ　ＣＳセ・ファイナルＳ・第１戦、巨人０－２ＤｅＮＡ」（１６日、東京ドーム）

　家族の前で放った“ＣＳ連発”に、ＤｅＮＡ・佐野恵太外野手は拳を握る。少しだけ控えめに、でも誇らしげに胸を張った。「奪三振能力の高い投手。フォークっていうのは特に一級品のボールなので、失投だと思うんですけど、捉えることができてよかったです」。巨人エース・戸郷撃ちでチームを勇気づけた。

　両軍無得点で迎えた四回だ。先頭で打席に立つと２球で追い込まれた。それでも、３球目の浮いたフォークをフルスイング。右翼席中段に運び、ＣＳファーストＳ第２戦に続く本塁打で初戦勝利に大きく貢献した。

　甲子園でも家族の前でＣＳ１号を放ち、この日も最強の味方の前での一発。「見ていたと思います」と少し表情を緩ませ、佐野はすぐに次戦へ目を向けた。「ミーティングでも四つ勝つことだけに集中して、とあった」。さぁ、下克上へ。最後まで勝ちきるだけだ。