【井川慶氏の眼】DeNAの強さを感じた試合 巨人の分岐点は初回2死一、二塁で1点でも奪えていれば…ケイの粘りが勝った
「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、巨人0-2DeNA」(16日、東京ドーム)
レギュラーシーズン3位のDeNAが同1位の巨人に勝利してアドバンテージを含めて1勝1敗とした。DeNAは四回に佐野恵太外野手のソロで先制。七回に代打・筒香嘉智外野手の左前適時打でリードを広げた。巨人は打線がケイの前に沈黙し、完封負けとなった。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「DeNAの強さを感じた試合」と指摘した。
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2日以来の公式戦となった巨人に、実戦感覚の欠如といったものは、見ている限りではそれほどないように思えました。そういった中で、分岐点があったとすれば初回でしょうか。
2四球が絡んだ2死一、二塁の場面で、大城卓選手が三ゴロに倒れて無得点。ここで1点でも奪えていれば、そのまま得点を積み重ねて、一方的に勝てた展開もあったかなというところでした。ただ、だからといって大城卓選手が悪かったわけではなく、ケイ投手の粘りが勝ったということであり、試合を通して見ても、DeNAの強さを感じた試合でした。
阪神に連勝して勝ち上がってきたというところで、勢いがあるのは当然ですが、それだけではないですね。九回の攻撃も無得点ではありましたが、先頭からの四球に続き、しっかりと犠打で二塁に送るとか、ミスがなく、そつなく勝ったなと。流れを手放すようなミスをしないことで勢いが付き、勝てていると言えるのが、今のDeNAのチーム状態でしょう。
巨人からすれば、戸郷投手が投げた試合を落としたことは痛いですが、4安打の割にはチャンスをつくれていたこともあるので、それほど引きずることはないと思います。だからこそ第2戦は、どちらが先に点を取れるか。この試合もそうでしたが、そこが大きなポイントになるように感じます。