「ＪＥＲＡ　ＣＳセ・ファイナルＳ・第２戦、巨人１－２ＤｅＮＡ」（１７日、東京ドーム）

　４年ぶりのリーグ制覇を果たした巨人がまさかの２連敗。リーグ３位からの下克上を目指して勢いに乗るＤｅＮＡに競り負け、アドバンテージを含めて１勝２敗となった。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は２試合でわずか１得点の巨人打線に言及。シーズン中のつなぎの野球が影を潜めているとし、打席での粘り強さを求めた。

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　巨人打線は第１戦のケイに続いて大貫にも抑え込まれ、２試合連続でＤｅＮＡの先発投手を攻略できなかった。

　大貫のスプリットは落差が大きく、それでいて少しチェンジアップ気味に抜けてくるので距離が取りにくく、打者にとっては厄介なボールだ。この試合ではそれがいい高さから低めのボールゾーンに落ちており、見極めも難しかった。巨人の各打者が本調子ではないこともあるが、リリーフ陣を含めて、打てるボールがなかなかなかった、というのが実際のところだろう。

　左脇腹痛の吉川を欠く中、２番、あるいは３番を打つ打者が一枚足りていない状況にあって、打線はつながりを欠いている。３番に入った中山は好守をみせたものの、４打数無安打。４番・岡本和の前で打線が切れてしまった。

　１点を追う六回、岡本和は２死二塁から高めに浮いてきたカットボールを逃さず中前に運ぶ同点打を放った。元々状況に応じた打撃ができるバッターだし、今、打線の中で最も状態がいい。岡本和にどれだけ好機で打席を回せるかが、第３戦以降も大きなポイントとなるだろう。

　短期決戦では敗戦を引きずることなく、切り替えて次戦に臨むことが大事だ。苦しいときこそ原点に戻ること。レギュラーシーズンでみせた打席での粘り、つなぎの意識を今一度、見せて欲しい。