滋賀短大付 V候補履正社に快勝!エース桜本が1失点完投 最速125キロ直球で翻弄

 「秋季高校野球近畿大会、滋賀短大付4-1履正社」(19日、ほっともっとフィールド神戸)

 来春のセンバツの出場校を決める重要な資料となる秋季近畿大会が開幕し、1回戦1試合が行われた。春秋通じて近畿大会初出場の滋賀短大付が4-1で優勝候補だった履正社を撃破。最速125キロのエース左腕・桜本拓夢投手(2年)が9回7安打1失点で完投した。2、3試合目に予定されていた天理-和歌山東、大院大高-北稜は21日に雨天順延となった。

 桜本が最速125キロの直球で、履正社打線を翻弄(ほんろう)した。のらりくらりと腕を振って凡打の山を構築。「格上だったと思うんですけど、負けじと投げることができた」。勝利が決まると、高まりきった集中を一気に解いて白い歯をのぞかせた。

 三振はわずか一つ。フライアウトが14個と、ひたすら相手打者の芯を外した。「コースに投げたら打たれることはない」。速球がないからこそ、投手としての“嗅覚”を目いっぱい駆使して、9回7安打1失点の完投を遂げた。

 身長165センチと投手としても小柄であり、力でねじ伏せられないからこそ野球脳をフル回転させる。大阪大会決勝のビデオを見て「外に投げればフライアウトが多かった」と分析。相手の弱点を頭にたたき込み、狙い通りの投球を披露した。

 2008年に滋賀女子から男女共学化された同校。近畿大会も初出場で甲子園出場経験もない。「チャレンジャーとしてやっていきたい」と桜本。来春センバツ当確まであと1勝。新たな歴史を刻んでみせる。

 ◆桜本 拓夢(さくらもと・ひろむ)2007年7月17日生まれ、17歳。165センチ、60キロ。滋賀県草津市出身。投手。志津小2年から野球を始め、主に投手と外野手としてプレー。高穂中時代は湖南クラブに所属。滋賀短大付では1年秋からベンチ入り。最速125キロ。

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