ヤクルト 愛知工大・中村を一本釣り「大学4年間の達成感」今春飛び級侍入り 26年WBCへ意欲「もっと努力」
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(24日、都内ホテル)
今ドラフトで最も速く交渉権が確定したのは、愛知工大・中村優斗投手(21)だった。ヤクルトが単独で1位指名。愛知県豊田市の同大八草キャンパスでその瞬間を迎えると、仲間たちの大歓声と拍手で祝福された。
「ドラフト1位でプロに入ることを目標に大学4年間やってきたので、その達成感はあります」
安堵(あんど)の思いを口にした中村は長崎・諫早農時代は「プロは程遠い存在だった」というが、「可能性がなかった人間でも(4年の努力で)指名されることを証明できた」。高校で野球を終え、就職希望だった中村の才能にいち早く気付いたのは、平井光親監督だった。出会いは高校2年の秋。ロッテに在籍し、1991年には首位打者を獲得した指揮官は「レベルが違う球を投げていた」とほれ込み、何度も足を運んで口説き落とした。
大学進学後、急激に成長した右腕は、今春には飛び級で侍ジャパンにも選出された。「トップで戦う選手の姿を肌で感じることができた。2026年のWBCに入れるよう、もっと努力してやっていきたい」。長崎生まれのシンデレラボーイの物語は第2章に突入する。