「野球を辞めようと思った」富士大・麦谷 挫折から這い上がりオリックス1位指名「実感がないです」
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(24日、都内ホテル)
オリックスから1位指名された麦谷祐介外野手(22)=富士大=は、自身の名前が呼ばれると驚きの表情を見せた。「選ばれた実感がないです」と率直な思いを語った。
大きな挫折からはい上がってきた。高校進学時に地元・宮城を離れ、県外の強豪校に進学するも1年時に退学。「野球を辞めようと思った」と小さい頃からの目標だったプロの世界が見えなくなった。だが、地元の大崎中央に転校して野球を再開。「その経験は今思うと無駄じゃなかった」と大きな糧となった。
高校時代は目立った活躍こそなかったが、富士大に進学すると、安田慎太郎監督(39)から「ドラフト1位で行ける」と声をかけられ、課題だった打撃力向上に着手。めきめきと力をつけると、3年時には春、秋の全国大会で後にドラフト1位指名を受ける青学大の下村、常広から逆方向に本塁打を放ち、一躍注目の的となった。
これまで縁のなかった大阪の地のイメージは「たこ焼きです」と笑顔を見せた麦谷。ルーキーイヤーの目標には開幕1軍を掲げ、ゆくゆくはゴールデングラブ賞に輝く球界を代表する外野手を目指す。
◆麦谷 祐介(むぎたに・ゆうすけ)2002年7月27日生まれ。22歳。宮城県出身。180センチ、81キロ。右投げ左打ち。外野手。小学校時代に楽天のスクールで野球を始め、中学は楽天シニアでプレー。高校は健大高崎に進学も1年時に大崎中央に転校。富士大では1年春からリーグ戦出場。50メートル走5・8秒。遠投110メートル。