【井川慶氏の眼】ソフトバンク 非常に意味のある初回の2点 “シリーズ男”できあがってきた
「SMBC日本シリーズ2024、DeNA3-6ソフトバンク」(27日、横浜スタジアム)
第2戦が行われ、ソフトバンクが2連勝を飾った。日本シリーズ14連勝。山川穂高内野手(32)が初回、シリーズ初安打の先制1号2ラン。パ・リーグ2冠王は四回にも左前適時打を放つなど3安打3打点の大暴れ。デイリースポーツ評論家・井川慶氏は「初回の2点」がシリーズの行方を左右すると指摘した。
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日本シリーズのような短期決戦では“シリーズ男”と呼ばれるような選手の存在が重要となります。そう考えると、ソフトバンクがさらに勢いづく連勝となったのではないでしょうか。
その中で、分岐点となった初回の攻防を振り返ると、まず1死から周東選手が安打で出塁。2死一塁から山川選手が1-2と追い込まれた状況で、この打席で初めて投じられたカーブを2ランとしたわけですが、大貫投手からすると、もったいない一球となりました。
山川選手は見逃し三振があまりない打者であり、そこに加えて、打者というのは追い込まれた状況では球種に関係なく反応してくるもの。状況的に山川選手が手を出してくる可能性の高い場面で、甘く入ってしまったがゆえに、打たれた一球でもあったと思います。
周東選手は第1戦に続き5打数2安打で、第1戦で無安打の山川選手が3安打3打点。四回も、周東選手の出塁から山川選手がかえすという形の1点でした。DeNAとすれば周東選手はつぶしておきたかった打者であり、山川選手は眠らせておきたかった打者。ソフトバンクに“シリーズ男”ができあがってきたことを考えると、初回の2点は第3戦目以降を考えても非常に意味のあるものになったと思います。
連敗のDeNAは、点は奪えても第1戦に続き追う展開となったのが苦しいですね。第3戦ではとにかく先に点を奪いたいところでしょう。