「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２４、ソフトバンク０－７ＤｅＮＡ」（３１日、みずほペイペイドーム）

　ソフトバンクは打線が２６イニング無得点と苦しみ、本拠地でまさかの３連敗。２勝３敗となり、後がなくなった。

　２連勝で戻って来た本拠地で、打線が深刻な貧打に陥った。第３戦の二回からスコアボードに０が並び、第２戦はケイに苦戦して完封負け。この日もジャクソンの威力ある直球とチェンジアップに手を焼き、劣勢に立たされた。

　ソフトバンク打線はなぜ突如不振に陥っているのか。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「流れを作ったのは３戦目の東だが、４戦目のケイ、５戦目のジャクソンもポストシーズンが一番ベストなんじゃないかと思うほどいい状態。カウントが悪くなっても、開き直ったように戸柱が強気に投げ込ませてうまくリードしている」と、ＤｅＮＡバッテリーの攻めの姿勢を一因に挙げる。

　象徴するのは三回２死二塁で栗原に対して、６球連続チェンジアップ。フルカウントとなったが、最後は外角に落として空振り三振を奪った。七回２死一塁でも山川にフルカウントとなったが、チェンジアップで空振り三振を奪った。

　「山川の表情を見ていても、迷いながら打席に立っているよな。ケイやジャクソンは制球はアバウトなんだけど、要所でいいところにくる。直球に威力もあってくせ球。２人のようなタイプは、今季パ・リーグにいなかったんじゃないか。頼みの中軸も打てず、チーム全体に焦りの色も見えている」

　第２戦で本塁打を含む３安打３打点と大暴れした山川は、本拠地に戻って来た３戦では１２打数無安打と沈黙。７回無失点に抑えたケイが「山川に打たせないことが肝になってくるので、今日はそれができてよかった」と語っていたが、チームで“山川封じ”に徹している。

　３勝２敗でＤｅＮＡの本拠地、横浜スタジアムへ。関本氏は「勢いはＤｅＮＡだが、ソフトバンクは有原、モイネロとシーズンで軸になったふたりが控えている。押せ押せのＤｅＮＡに対してソフトバンクは焦りも出ているので、先制点を与えず主導権を握ることができるか。正直、２連敗したＤｅＮＡが３連勝するなんて、この展開は誰も予想できなかったんじゃないか」と語った。

　週末に予想されている雨もどのような影響をもたらすのか。プロ野球の頂上決戦から目が離せなくなってきた。