DeNA・牧の強靱なフィジカルとメンタル 高校時代から見せていた片りん 母校・松本第一高時代の監督、桜井正孝さん語る
「SMBC日本シリーズ2024、ソフトバンク0-7DeNA」(31日、みずほペイペイドーム)
第5戦が行われ、DeNAが26年ぶり3度目の日本一に王手をかけた。1点リードの四回、自身日本シリーズ初本塁打となる3ランで勝利に導いた牧秀悟内野手(26)はプロ入り前から“伝説”には事欠かない天性のリーダーだ。
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チームの中心には、主将の牧がいる。その野球人としての原点を知るのが、母校・松本第一高時代の監督、桜井正孝さん(62=現長野俊英高校野球部統括部長)だ。
今や球界を代表する強打者。桜井さんは牧の最大の武器に「けがをしない体の強さ」を挙げる。高校時代から今に至るまで、長期離脱する大きな故障に見舞われたことのない“無事之名馬”。フィジカルはもちろん、メンタルも強靱(きょうじん)だった。
入学当時、毎週、体重を量っていたが「牧は一度も減らなかった。普通は先輩に気を使ったり食が細くなったりして落ちるものなんですが。これは大したものだなと」。環境の変化にも一切動じることのない肝の太さに、名選手の片りんを感じていたという。
寮生活ではこんな“逸話”も。「家内が掃除をしていたんですが、『牧君の部屋、カーテンないけど、寝られるのかね』と心配していました」。いい意味でマイペースであり、大胆不敵。小学1年生のとき、兄の影響で上級生ばかりのチームで野球を始めたが「『4番打つ人』と聞くと、1年生なのに真っ先に手を挙げたそうです」と“伝説”には事欠かない。
高校初本塁打は意外にも2年秋。それが「人生初のオーバーフェンス」だったという。あくまで得意は右方向への打撃。場面によって逆方向への進塁打を狙いチーム打撃に徹する姿勢は、高校で培われた。入団4年目、26歳にして主将を任された牧は、リーダーの資質にあふれている。(デイリースポーツDeNA担当・福岡香奈)