正力松太郎賞 受賞者巡って協議紛糾 選考委員の門田氏「揉めたとは言いませんが」「選考すんなりじゃない」 ソフトバンク・小久保監督かDeNA・三浦監督か

 正力松太郎賞の受賞者選定を巡り、選考委員を務めるノンフィクション作家の門田隆将氏が7日、都内での選考委員会後、「今年は選考がすんなり行くんじゃなくて、日本一を取った三浦監督にすっといくんじゃなくて、むしろペナントレースを重視すべきなんじゃないかという話がかなり出ました」と協議が紛糾したことを明かした。

 正力松太郎賞とは今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られるもので、91勝49敗3分けの貯金42と圧倒的な力を見せつけて優勝を飾ったソフトバンク・小久保監督と、リーグ3位からCSを勝ち抜き、日本一に上り詰めたDeNA・三浦監督が争う形となり、最終的に三浦監督が選出された。

 門田氏は「強いチームを作り上げてペナントを取ったという小久保監督のすごさを王さんもおっしゃられた」と選考委員を務め、シーズン中は間近で小久保監督を見続けたソフトバンク・王貞治球団会長の強い推薦があったことを明かした。

 一方、同じく選考委員を務める元広島監督の山本浩二氏からは「やはり正力松太郎賞ということで、下克上で2010年に千葉ロッテの西村監督が取ってるということで、三浦さんにやるべきじゃないか」という話が出たとし、元西武監督の辻発彦氏からは「育成選手達を引き上げて戦力にしていく、思い切った采配、小久保監督のそういうものもすごいので、正力賞を考えるべきではないか」という意見があったとした。

 門田氏は「実はかなり、意見がこう、揉めたとは言いませんが、出ました。しかし、小久保さんということになったら、じゃあ(セ・リーグで優勝した巨人監督の)阿部さんはどうだったのということになるし、これは日本一でやっぱり行くべきではないかと私は言わせてもらいました」と語った。

 また、会議では王氏から「すんなり日本一、日本シリーズで勝った勝利監督をそのまま正力松太郎賞の基準に思われてるかもしれないが、そういうものは見直していきましょう」と提言があったことも明かした。

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