慶大・清原Jr.見たか!父へ感謝弾「ここまで育ててくれてありがとう」3号&全4打席安打と大暴れ

 「東京六大学野球、慶大9-1早大」(9日、神宮球場)

 慶大-早大1回戦が行われ、慶大が快勝した。プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏(57)の長男・清原正吾内野手(4年・慶応)がリーグ戦3号を放つなど全4打席で安打をマークする大暴れ。渡辺和大投手(2年・高松商)が4安打1失点で完投勝利を挙げた。早大は王手を懸けている優勝へ足踏み。2回戦も敗れれば、中1日で明大との優勝決定戦を戦うことになる。

 澄み切った空に白球が舞い上がる。振り抜いたバットを右手で高々と掲げた。2万6000人の視線を独り占めし、またとない光景を目に焼き付けるようにダイヤモンドを1周。その瞬間、神宮は清原のためにあった。

 「早慶戦は特別な舞台。たくさんのお客さんが入ってくださる中で1周するのは特別な経験でした。一生の思い出」

 大学から本格的に野球を始めた男の4年間の努力が結実した。2点リードの六回1死だ。早大エース・伊藤樹に対し、甘く入ってきた初球直球を逃さなかった。「完璧な当たり」という確信の一撃はリーグ戦通算3号となる左越えソロ。生還すると、スタンドの父へ指をさし思いを伝えた。

 「『見たか』という思いと、『ここまで育ててくれてありがとう』という気持ちを込めました」

 何度も大舞台での強さを示してきた清原は、その要因を問われ「父親のDNAですね」とニヤリ。第1号のホームランボールは父へ、2号は母・亜希さんへ贈っており、3号は「弟に」と来春に慶大に入学見込みの慶応・勝児外野手(3年)へプレゼントする予定だ。「原動力にして大学生活を頑張ってほしい」と“兄心”ものぞかせた。

 本塁打以外の打席では、いずれも右前打をマークし「ずっと課題にしていたので、逆方向に3本出たのは自信になる」と納得顔。ラストゲームになるかもしれない10日の一戦へ視線を向けた。「全てを出し切って、みんなで笑って終わりたい」。背番号3の生きざまを示す。

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