イチロー氏、大冠を指導 強豪私学ひしめく大阪の公立校に厳しい言葉「相手は相手とも思ってない」も「一発勝負なら」

 米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(51)=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が10日、大阪府高槻市の大冠高を訪問した。9、10日と2日間に渡って指導を行った。

 強豪私立がひしめく大阪で『本気で甲子園を目指す』と野球部から手紙が届いたことがきっかけとなり、指導に訪れたイチロー氏。練習前の挨拶では「大阪桐蔭と履正社の2強なんだろうと。強烈に意識しているよね?一方で相手がどう思っているか考えてほしいんだよね。彼らはどう思っているか、考えたことある?僕は愛工大名電で野球をやっていて、愛知4強と言われて。この立場からするとベスト16のチーム、眼中にないです」と厳しい言葉をかけた。

 それでも「意識もしていない。相手は相手とも思っていない、そこに挑むんだよ。練習でできることは限りがある。基本的なことしかやらないです。どこまでいけば対等にできるのか。練習ではものにできたかもしれない。でもゲームで生かせるかは別。強豪校は強豪校としかやっていない。自分たちがうまくなるレベルのチームと試合をしている。だから(強豪と)差が開いていく。その壁は相当厚い。でも、みんなの情熱を持っていたら、一発勝負なら」と公立高校でも甲子園を狙える可能性があることを伝えた。

 初日は外野ノックに入ってアドバイスを送るなどし、2日目は素振りやキャッチボールなど基本的な練習にもみっちり指導を行った。

 同氏は2019年12月に学生野球資格回復制度の研修会を受講し、20年2月に資格を取得した。高校生を指導するのは20年の智弁和歌山から始まり、21年は国学院久我山、千葉明徳、高松商、22年は新宿高、富士高、昨年は旭川東高、宮古高に続いて9校目となった。

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