侍ジャパン4番・森下 初戦白星導く大暴れ 猛攻9点誘発3安打2打点 「身と気が引き締まった思いがあった」
「ラグザス presents WBSCプレミア12・1次リーグB組、日本代表9-3オーストラリア代表」(13日、バンテリンドーム)
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で日本代表は13日、バンテリンドームでの1次リーグB組初戦で、オーストラリアを9-3で下して白星発進した。4番に入った阪神・森下翔太外野手(24)は三回に内野安打で出塁すると、八回には2点適時二塁打を放つなど、3安打2打点で勝利に貢献する活躍を見せた。
日本の4番がチーム唯一の猛打賞と躍動した。ついに侍ジャパンのプレミア12が開幕。大役を任されたのは森下だった。最高の幕開け。「ホッとしたって感じですね」。球場入りから自信に満ちあふれていた、虎が誇る若き侍戦士。井端ジャパンを勝利へと導いた。
打順を知ったのは宿舎のホワイトボードを見た時。4番に自分の名前があり、その後のスタメン発表でも伝えられた。「身と気が引き締まった思いがありましたね」。重圧はあるだろうが、無理に背負おうとしない。起用を意気に感じ、いつものスイングを貫いた。
最大の貢献は七回。2点差に迫られ、嫌な空気も漂っていた中、先頭からウィンの初球を捉えて左翼線二塁打。沈みかけたスタンドのボルテージを一気に高めた。井端監督も「キーを握ったヒット」とポイントに挙げた一打から1死三塁となり、牧の中前打で貴重な追加点のホームイン。この1点が大きかった。
中大の先輩でもある牧との共演。「試合になったらすごく頼りになる。大きい存在」。ベンチ前では誰よりも強く手をたたいてたたえた。国際舞台での師弟タッグ。「チームとしても勝ちパターンになる」。試合後の取材エリアではわざとリュックをぶつけられる“愛”もあったが、2人が打線の軸となりそうだ。
四球に内野安打とつなぎの役割も果たし、八回2死一、三塁では2点適時二塁打。主要国際大会(五輪、WBC、プレミア12)で阪神の選手が4番を務めるのは08年・北京五輪での新井貴浩(現広島監督)以来のこと。「任されたからには最後まで4番でいきたい」。虎の森下が世界の「MORISHITA」として、最高のスタートダッシュを切った。