中日・大野 36歳「まだやれる」復肩誓う 減額制限超え60%ダウン、1億2000万円でサイン
中日の大野雄大投手(36)が21日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で契約更改交渉に臨んだ。今季3億円から野球協約の減額制限(1億円超は40%)を大きく超えて60%となる1億8000万円減の1億2000万円でサインした(金額は推定)。昨春に左肘手術を受け、再起を期した14年目は9試合で2勝6敗、防御率4・87。20年の沢村賞に輝いた左腕は再起を誓った。
減額制限超えの大幅ダウン。「球団に契約していただいて来季も(野球が)できる。年俸が大幅に下がることはわかっていたので」。大野は目の前の現実を受け止めた。
昨年4月に受けた左肘の遊離軟骨除去手術(通称・クリーニング手術)から復帰イヤー。だが9試合の登板にとどまり、2勝6敗、防御率4・87。「1年間投げることを目標にいつもスタートしてますが、それが全くできなかった」。今季が2020年オフに結んだ1年の延長オプション付き3年契約の最終年。減俸は必然だった。
ただ沢村賞を獲得した左腕の力は必要だ。チームは先発陣の立て直しが急務。特に左腕は4年連続で規定投球回を投げた小笠原がポスティング制度を利用して米メジャー挑戦を目指している。ドラフトでは金丸(関大)、吉田(西濃運輸)といった即戦力左腕を獲得したが、来季の活躍は未知数。経験十分の左腕の復活は竜浮上に不可欠だ。
苦しんだシーズンでも手応えはある。「自分でも納得いく球がいけば、まだやれるな、というのは感じた。波を減らしていければ」。36歳はまだ老け込む年ではない。
目標に掲げたのは規定投球回。「自分のセールスポイントは中6日で投げ続けること。規定投球回を投げて23、24試合を投げる。それが一番充実感を感じられる」。既に来季へ向けて始動している背番号22。復肩を誓う。