横浜 内野5人シフトの奇策奏功で決勝進出!村田監督「引っ張られないデータを」左翼がら空き 勝負手に相手は「狙いすぎたら」
「明治神宮野球大会・高校の部・準決勝、横浜3-1東洋大姫路」(23日、神宮球場)
横浜が内野5人シフトの奇策でサヨナラ負けのピンチをしのいだ。直後にチームは2点を勝ち越し、延長戦の末、17年ぶりの決勝進出を果たした。
延長十回、1死満塁となったところでベンチの村田監督が動いた。「1点取られたら終わり。引っ張れないっていうデータをとって、それで(左方向へ打って)来られたら仕方ない」と左翼・大石に代わって入った林田を二塁ベース付近に配置。内野全員は前進守備につき、左翼をがら空きにして1点死守の布陣を敷いた。
気迫を前面に出した奥村は阪下を空振り三振に仕留めるとこん身のガッツポーズ。次打者も二ゴロに打ち取ってピンチを脱した。指揮官は「当たり前に敷けたのがよかった。練習はやっています」と振り返り、奥村の球威では阪下は引っ張ることができないと踏んでの奇策だった。
一方、シフトを敷かれた阪下は「ライト方向にしかヒットが出ていなかったので、そうなるだろうと。(左翼を)狙いすぎたら当てにいってしまうので、振って行った中で行ってくれないかなとは思いました」と明かす。自軍には1点死守のメッセージを伝え、相手打者には考える要素を増やす。強豪校が見せた戦術にスタンドはどよめいたが、ピンチを脱すと大歓声に変わった。
直後の延長十一回に2点を勝ち越し、17年ぶりの決勝進出を決めた横浜。レベルの高さを印象づけるゲームだった。