現役ドラフト制度は成功か ソフトバンクから移籍の2選手が1年目で大幅昇給 第3回は9日 ファンの注目集まる

 大幅アップで契約更改した水谷
 大幅アップで契約更改した水谷
 大幅アップに笑顔の水谷
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 第3回の現役ドラフトが9日に開催される。導入時、出場機会に恵まれない選手にチャンスを与えるという名目の中、ここ2年を見ると飛躍を果たした選手は間違いなくいる。

 この日、日本ハムの水谷が契約更改交渉に臨み、今季の560万円から「5倍くらい」の大幅アップでサイン。ソフトバンクでは1軍出場がなかったが、現役ドラフトで日本ハムへ移籍し大ブレーク。プロ初出場を果たし、97試合に出場。打率287、9本塁打、39打点の活躍。交流戦MVPに輝くなど覚醒のシーズンだった。

 「これまでの5年間のプロ野球生活とは違って、ようやく始まったなという感じでありましたし、1軍で出るうれしさ、やりがいを感じながら、悔しさ、課題も出た1年間なのかなと思います」と振り返った水谷。優勝したソフトバンクであれば、チャンスは少なかったかもしれない。ゲームに出るチャンスを得ることで結果を残し、大幅昇給につながる。それは昨年の阪神・大竹にも言えることだ。

 ソフトバンクでくすぶっていた左腕は、現役ドラフトで移籍した昨年、12勝をマークしてチームの38年ぶり日本一に貢献。年俸2000万円から3倍超のアップとなる6700万円でサインし、結婚も発表した。

 今年もオフに手術を受けた影響がありながらも、先発ローテを守り抜き自身初の規定投球回到達、2年連続の2桁勝利をマークした。ソフトバンクの強力投手陣の中でなかなかチャンスに恵まれなかった男が、今では阪神の先発陣に欠かせない投手へと成長した。

 他にも中日の4番を務める細川、巨人のV奪回に貢献したオコエなどの1期生に加え、2期生では阪神・漆原、DeNA・佐々木、オリックス・鈴木など半数以上が移籍1年目から前年を上回る結果を残した。

 導入時、選手会・森事務局長は「どういう選手がリストアップされるかが大事」と語っていた。2年が経過し、多くの選手が飛躍したことにより、12月に入って「現役ドラフト」がトレンド入りするなどファンの注目も集まっている。移籍した選手が奮起したことで形になった新制度。12球団にとっても貴重な補強の機会となりそうだ。

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