京セラドームにホームランテラスはできるのか? 「選手の反応次第ではないか」と野田浩司氏 自身は甲子園ラッキーゾーン撤去前後を体験
今オフの契約更改でオリックスの西川龍馬外野手(29)が「ホームランテラスの増設」を訴えた。打者にすればありがたい“テラス”の存在だが、投手の立場から言うと逆になるこの問題。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏は「各選手への聞き取りを行うだろうから、その結果次第ではないか」と語り、可能性アリとみている。
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投手目線から言わせてもらうと、やっぱりホームランテラスは造ってほしくないですけどね。「よし、打ち取った」と思った打球がフェンスを越えれば天と地ほどの差になってしまう。
僕は甲子園球場のラッキーゾーン撤去前と撤去後を体験してますが、全然違いましたからね。まあラッキーゾーンは相当でかかったですけど。
とはいえ、テラス増設に関する賛否は打者と投手という立場の違いで大きく変わってくるでしょうね。また同じ野手でも内野と外野では受け止め方は違ってくるかもしれない。
さらに言えば、同じ外野手でも選手の特徴によって反応は変わってくるはず。例えば守備には自信があるが、さほど打力のない外野手なら、フィールドは広い方が力を発揮しやすいですからね。
テラスができて外野手の守備位置がやや前めになれば、ヒットゾーンが狭くなる。そうなれば単打狙いの選手には不利になるでしょうね。
こうしていろいろ考えていくと、それこそ選手からは、いろんな意見が出てくるでしょう。
このオフの契約更改の席で、おそらく球団は西川の意見に関する各選手の“聞き取り”を行っていると思う。それを集約して今後の対策を考えるのではないか。
福岡のペイペイドームや千葉のZOZOマリンスタジアムにはホームランテラスがあり、本塁打数は増えましたからね。
「ホームランは野球の華」と言われるように、テラスができることでファンが喜ぶのは間違いないでしょう。
(今年の大阪ドームの本塁打数は64。そのうちオリックスは33。オリックスの合計本塁打数71はリーグ5位)
今シーズンの投高打低ぶりは極端だった。結局、何が原因だったのか分からないままだが、大阪ドームでのホームランは昨年比で20本ほど減っている。
僕も何試合かオリックスの試合を解説しましたが、フェンスの手前で捕球され首をひねる西川の姿を何度か見ましたね。よほど悔しかったんでしょう。
中嶋前監督も「打てなかった」ことを敗因に挙げる試合が多かった。投手力が持ち味のオリックスとはいえ、そのあたりの課題は残っている。
ただし、打てなかったのは全球団に言えることで本塁打数は激減、全体的にロースコアの試合が目立った。当然のように試合時間も短かったですけどね。
いずれにしろ、多少時間は必要でしょうね。ただ、選手の意見は吸い上げるでしょうから、結果次第では“テラス増設”という結論に至ってもおかしくはないでしょう。