ヤクルト・奥川 復興のシンボルになる 故郷に誓った自身初2桁勝利 自身も被災、石川県で復興支援イベントに参加
ヤクルト・奥川恭伸投手(23)が8日、石川県七尾市内でプロ野球選手会主催の復興支援「応援しよう能登!スポーツフェスタ」に巨人・山瀬慎之助捕手(23)らと出席。同県内の子どもたちと笑顔あふれる時間を過ごし、故郷に2桁勝利を誓った。改めて感じた街の状態にも胸を痛め、復興のシンボルになる活躍を約束した。
限りある時間を、奥川は楽しみ続けた。心を埋めたのは安堵(あんど)の気持ちと、新たな決意でもある。「能登で地震が起きて、僕も東京から心配していたので。元気な子どもたちの姿が見られて本当に良かったです。安心しました」。届けたい明るいニュースとして誓うのは2桁勝利だ。
「まずは野球をやらないと」と右腕。今季は980日ぶりとなった涙の復活勝利を挙げるなど、記憶に残る1年を過ごした。それでも腰の痛みで再び離脱。シーズン最終戦で復帰し、来季への道筋を立てた先に見るのは1年間の“完走”でもある。
自身では初めての2桁勝利に向けて「目指したいですね。投げる試合は全部勝つ気持ちで頑張りたいです」と意欲。1年間ローテーションを守り切るためには、ただ投げるだけではいけない。「数字がついてこない成績だったら1軍に1年間いられない」と結果が求められる世界だということは理解している。
今年元日に襲った能登半島地震。奥川自身も故郷・かほく市で被災。サイレンが鳴り響く中、高台に避難した。もうすぐ1年がたとうとしているが「まだ全然…」。思わず言葉を飲んだ。そして「来る時も思いましたけど、本当にまだ全然、まだ復旧が進んでない」と現状を受け止めた。故郷のためにできることがある。復興のシンボルへ。石川県代表として活躍し続けることが責務になる。