巨人獲得へ 田中将大復活のカギは 評論家の視点「真っさらな状態になれるか」心強い桑田2軍監督らの存在

 巨人が、楽天を自由契約となった田中将大投手(36)の獲得に向けて調査に乗り出したことが16日、明らかになった。

 大注目を集めていたマー君の去就に、ついに道筋が見えた。先発が補強ポイントの巨人が、阿部監督の強い希望もあり獲得へ調査。楽天を上回る年俸5000万円以上の条件も提示し、期待の大きさも示した。

 日米通算200勝まであと3勝。経験、実績はあるものの、右肘のクリーニング手術の影響で今季登板はわずか1試合に終わった。36歳という年齢から不安もささやかれる中、復活のカギを握るものは何か。

 今季唯一の1軍登板となった9月28日、オリックス戦では5回4失点で最速147キロ。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「最後の登板を見たが、ボールのパワーが落ちているのは否めない。ただ、あの時の状態が80%、90%であるなら、このオフシーズンで回復する可能性もある」とした。

 かつてのような剛速球はないものの、「プロで身につけたコントロールは抜群」と関本氏。その上で復活を握る球種として真っすぐを挙げ「常時2、3キロは上げられるかだな」とした。

 心強いのは今季、菅野を完全復活させた首脳陣の存在。このオフ、自由契約となった田中について桑田真澄2軍監督は12月1日、TBS系「サンデーモーニング」で「僕は(復活)できると思います」と断言。今季は手術の影響があったとし、自らの経験談とともに「手術後は思うように動かない」とも語った。

 ファームには今季、菅野復活に尽力したひとり、久保巡回投手コーチもいるなど心強い指導者が豊富。関本氏は「プロのピッチャーというものは本来、頑固者ばかりなんだよ。マー君は白いキャンバスでジャイアンツに来られるか。真っさらな状態で、いろいろなアドバイスを受けられるかどうかも大事になる」とした。

 1軍にはWBCでバッテリーを組んだ阿部監督だけでなく、同じくWBCでチームメートだった杉内、内海コーチもいるなど、溶け込みやすい環境にある。

 巨人のチームカラーも田中を後押しする。中日からライデル・マルティネスの獲得が確実となったことで、リリーフ陣が超強力。関本氏は「大勢を八回に回せれば、六回からリリーフ勝負に持ち込める。要するに先発は五回、六回までを3失点くらいで作ってくれたら。マー君は経験があり、試合を作る能力はある。まずは6番手、7番手争いになるとは思うが、そのポジションをつかみ、若手の手本にもなればチームにとって大きなプラスになる」とした。

 楽天を自由契約になることを選択した際、「今年1年投げられなかったことは、タフな状況だけど来年はもっとできると思っている」と語っていた田中将大。復活なるか、大きな注目が集まりそうだ。

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