読売新聞 渡辺恒雄主筆が死去 歯に衣着せぬ発言で野球界に影響力【主な語録】「たかが選手が」「審判にボールを投げつけるくらい大したことないんだ」

 読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄さんが19日午前2時、死去した。同社が発表した。98歳。都内の病院で亡くなり、死因は肺炎だった。葬儀は近親者のみで執り行い、後日、お別れの会を開くという。

 1996年に巨人オーナーに就任して以降、プロ野球界に絶大な影響力を誇ってきた渡辺氏は、歯に衣(きぬ)着せぬ発言でも注目を集めてきた。ときに辛辣な、ときにウイットに富んだ渡辺さんの発言を振り返る。

  ◇   ◇

 ◆「俺も若いときには気が短くて人をぶん殴って病院に送ったことがある。審判にボールを投げつけることぐらい、大したことないんだ」(1999年、ガルベスが審判にボールを投げつけて)

 ◆「これで勝利の要因が増えた」(2000年、不振の清原が肉離れで離脱した際に)

 ◆「巨人にはくだらない代理人を連れてくるのはいないだろう。もし連れてきたら給料をカットする。イヤなら自由契約だ」(2000年11月。代理人交渉が認められたオーナー会議後、納得いかない様子で)

 ◆「長嶋は総理大臣より偉い」(2001年の燦々会)

 ◆「モヒカン、金髪は大巨人軍のカラーに合わない。子どもがマネしたらどうする」「土下座なんかする必要はない」

 ◆「巨人に来るのなら、髪を黒く染めろ」(2002年オフ、FA宣言した近鉄の中村紀の巨人入りがささやかれた際に)

 ◆「これ以上大巨人軍が強くなってどうすんのかね」(2003年、ペタジーニを獲得して)

 ◆「そんなことで日本のプロ野球の権威を落とすわけにはいかない。それを許すならコミッショナーも辞めさせて、プロ野球機構も解散だ」

 ◆「安く買って、すぐ高く売るのがハゲタカの論理。ダイエーを買おうとしているのが、まさにそれだ。そんなことは断じて許さん」(03年8月。外資系企業への身売りが噂されるダイエーについて聞かれ)

 ◆「次の阪神戦で3連敗したら、原(辰徳監督)の続投は白紙だ」(03年、巨人がV逸し9連敗を喫して)

 ◆「今回のは辞任とか解任とかではなく、読売新聞グループ内での人事異動」(03年9月。3年契約の2年目だった原監督から堀内監督への監督交代会見で両者と同席して)

 ◆「巨人にいてもいいが他の人に迷惑をかけなければいい」(不振にあえぐ清原に対して)

 ◆「無礼なことを言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。たかが選手だって立派な選手もいるけどね」(04年7月。球界再編騒動の際、古田敦也選手会長がオーナー側との直接会談を望んでいるが、という質問を受けて)

 ◆「知らない人が入るわけにはいかないだろう。僕も知らないような人が」(04年6月。ライブドアの堀江貴文社長が球界参入に名乗りを上げたことに対して)

 ◆「仮にパ・リーグが4チームになった場合はパ・リーグへの移籍も視野に入れる」(04年7月。リーグ再編騒動の最中での発言)

 ◆「堀内監督がピアスで、清原君がひげをはやした方が適当ではないか」(05年3月の燦々会で)

 ◆「みんながマネして耳にピアスということになりますと、最近凶悪犯罪が増えてきまして耳ごと盗まれる心配がある。まあ清原君は一見、怖そうだから暴力団の方が逃げちゃうだろうから」(同3月30日・巨人激励会で当時ピアスをしていた清原に対して)

 ◆「俺に報告もなしに勝手にコーチの人事やなんかをいじくるとか、そんなことありえるのかね」(3位でシーズンを終えた11年オフ、報道陣に)

 ◆「死亡説が流れたから来たんだよ」(18年8月には自宅で転倒して頸椎(けいつい)の一部を骨折。一時はネット上で「死亡説」まで流れたが、同年12月の原辰徳監督の殿堂入りパーティーに出席)

 ◆「私はもう、あと2カ月で93歳になります。あと10年生きるかわかりませんけど、もういっぺん優勝を見ないでは、この年でいながら、死ぬわけにはいかないという心境であります」(19年3月22日、巨人の激励会で)

 ◆「かつてのように9連覇、10連覇という記録を作ってくださることを選手諸君に、ぜひともお願いしたい」(23年3月、開幕前の「燦燦会総会」で)

 ◆「今年こそは優勝、日本一に向けて頑張っていただきたい」(24年3月21日に行われた「燦燦会」で)

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