長嶋茂雄氏 渡辺恒雄さん訃報に悲痛「巨人を離れてもたくさんの思い出」王貞治氏「誰よりもジャイアンツに強い情熱」
読売新聞グループ本社代表取締役主筆で、プロ野球巨人のオーナーや日本新聞協会会長も務めた渡辺恒雄(わたなべ・つねお)さんが19日午前2時、死去した。訃報を受け、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(88)、ソフトバンクの王貞治球団会長(84)らも追悼コメントを発表。誰よりも巨人軍を愛した恩師の死にONが悲痛な思いを語った。
心に深く刻まれた喪失感を、長嶋氏は素直な言葉にした。深く、厚かった渡辺さんとの信頼関係。球団を通じて発表したコメントでは「突然の訃報でした。しばらくは何が起こったのか、頭は白紙の状態でした」と記し、悲痛の思いを語った。
「古く長いお付き合いで、巨人を離れても沢山の思い出があります。今、何を話せばよいのか、巨人が勝った時の渡辺さんの笑顔しか浮かんできません」
長嶋氏は92年オフ、実質球団トップだった渡辺さんに請われる形で、自身2度目となる巨人監督に就任した。渡辺さんが96年12月に巨人軍オーナーに就任すると、2人のタッグで巨人、プロ野球の発展に大きく貢献。球史を彩る功績を残した。
01年、燦燦(さんさん)会総会に出席し、壇上で「長嶋は総理大臣より偉い」と発言。言動には賛否を残したが、強固な関係を示す一幕でもあった。同年限りで監督を勇退した際にも「長嶋監督は英雄であり神様だ。私は引退とは思っていない」と言葉を残し、惜しんだ。19年4月2日には東京ドームを訪れ、肩を並べて阪神戦を観戦した。
また、王会長も「他に類を見ないほど熱烈なジャイアンツファンだった」などと回顧。「とにかく誰よりもジャイアンツに強い情熱を持っておられた方でした。正力(松太郎)さんの『巨人軍は常に強くあれ』という思いを受け継いでいました」と思いを寄せた。巨人軍を象徴した“巨人”。ONも深い悲しみに暮れながら追悼の辞を送った。