元近鉄・佐野慈紀氏“ピッカリ投法”で始球式 4月に右腕切断 左腕でワンバン投球「気持ち大きく変わる」

 左投げで始球式を務める佐野慈紀氏(撮影・開出牧)
 始球式を務める佐野慈紀氏(撮影・開出牧)
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 近鉄などでプレーし、4月に感染症の悪化から右腕を切断した佐野慈紀氏(56)が21日、神宮で開催された学童軟式野球全国大会「くら寿司トーナメント2024 18thポップアスリートカップ」で始球式を務めた。

 車イスでグラウンドに登場し、「腕をなくしましたけど落ち込むことなく、いろんなことにチャレンジしたい」とあいさつ。車イスから立つと、左手で帽子を取る“ピッカリ投法”を見せ、サウスポーからワンバウンド投球を披露してスタンドを盛り上げた。目標のストライクは投げられず、「マイナス10点」と苦笑い。それでも「グラウンドに立つと気持ちが大きく変わります」としみじみと話した。

 現在も入院生活を送っており、外出許可を得て参加。グラウンドに立つのはいつ以来か問われると、「実はこの5年間ずっと入院生活。6年前に息子とキャッチボールをした」と目を真っ赤にして振り返った。

 現在は「治療する中でもう1カ所、感染が見つかった」。退院は来年以降になる見通しだ。「もう一度、野球教室をやりたい」。右腕は失っても前向きに挑戦を続けていく。

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