田中将の復活の鍵は「超速仕上げ」“育ての親”佐藤義則氏が言及 ベテラン調整返上でアピールあるのみ
楽天を退団した田中将大投手(36)の巨人入団が決まった。楽天コーチ時代に田中を指導したデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(70)は「どこも取ってくれないんじゃないかと心配していたので本当に良かった。良くも悪くも注目されるチームなので、田中も変な結果は残せない。より気持ちが入って頑張ってくれるんじゃないか」と教え子の復活を願った。
日米通算200勝まであと3勝。昨秋の右肘手術の影響で今季はコンディションが上がらず、1軍登板は1試合に終わったが、入団会見で田中将は「まだまだやれることを証明する」と意気込んだ。佐藤氏も「経験もあるわけだし、試合にさえ投げられれば結果は残せる」と見ている。
ただ、実績があるからといって、先発ローテの座が約束されたわけではない。佐藤氏は「これまではベテランということでキャンプでも自分のペースでの調整が許されていたかもしれないが、新天地では横一線。先発ローテに入るためにはオープン戦から、どんどんアピールしていく必要がある」と指摘する。
そのためにも「とにかく早く100%の状態まで仕上げて、チームから言われたところで、いつでも投げられる状態にしておくこと」と話す。「2月いっぱいで肩をつくってというようなペースでやっていて、万が一、調整がうまくいかなかった時は、オープン戦の登板もずれ込んでしまう」と危惧。巨人投手陣は今季先発を担った戸郷、山崎伊、井上、グリフィンの4人に加え、先発の座を狙う有望な若手もひしめいている。ローテ争いに出遅れると、そこから巻き返すには相当なアピールが必要となるだけに、まずは「超速仕上げ」が復活への第一歩となる。
また、佐藤氏は「最近の投球を見ていると、手先でかわすような投球になっている」と指摘。「真っすぐで空振りが取れなくなっているので、もう一度、投球の基本でもある真っすぐを磨いてほしい。老け込むのはまだ早い。馬力のある球で押していく投球ができれば、変化球もより生きてくる。コントロールはいいので、まだまだ勝ち星は伸ばせる」と期待する。
投手陣の精神的な支柱でもあった菅野が米大リーグのオリオールズに移籍し、阿部監督の田中への期待は大きい。背番号11を背負い、年俸も1億6000万円(推定)の高い評価で迎えられた。佐藤氏は「そのことを意気に感じて、もう一度1軍でバリバリ投げている姿を見たい」と教え子の勇姿を待ち望んだ。