中日・ドラ1金丸“消える魔球”に周囲騒然 ドラ2吉田も思わず後逸「本当に消えました」
中日のドラフト1位・金丸夢斗投手(21)=関大=が9日、名古屋市の中日屋内練習場で入寮後初のキャッチボールを行った。腰の骨挫傷から復活を目指す左腕は、約2カ月ぶりにスパイクを履いて投球。キレのある直球と“消える魔球”で周囲を騒然とさせた。
ドラフト2位・吉田(西濃運輸)を相手に15分ほど投球。その終わりがけだった。「カーブ投げるよ」と宣言して投げた1球は急激に変化し、思わず「うおっ!」と声を上げた吉田は後逸。後ろから見守った報道陣の顔を見ながら「見えました?」と目を丸くした吉田は「本当に消えました。真っすぐのラインから曲がった」と“消える魔球”について証言した。
驚愕(きょうがく)の表情を浮かべた同期の反応にも「あれは演技っすよ。全然うそつけって感じです」といたずらっぽく笑った金丸。ただ、カーブは磨いてきた武器でもある。昨年3月に日本代表の一員として欧州代表との強化試合に出場し、「上の世界ではレベルが高くなる」と実感。大きな縦変化で「ヨーヨー・カーブ」ともいわれるドジャース・山本の球筋を理想に、今もカーブは変化量とともにより速い球速を追い求めている。
キャッチボールは最終的に約30メートルまで伸ばした。「5割ぐらい」と本人にとっては肩慣らしのつもりでも、ドラ1のすごみを感じさせるには十分だった。直球は吉田の手元で「シュルルルルッ」と音を立てる球質。力感のないフォームでも、小気味よく響かせる乾いたグラブ音にボールの重みを感じさせた。「10割」の力になったら、どんな球を投げるのか-。「10年に一人の逸材」といわれる左腕が完全にベールを脱ぐ日が待ち遠しい。
◇金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日生まれ、21歳。兵庫県神戸市出身。177センチ、77キロ。左投げ左打ち。投手。神港橘、関大を経て、4球団競合の末に24年度ドラフト1位で中日入団。昨年3月には侍ジャパンに選出。直球の最速は154キロでチェンジアップも操る。