PL学園・桑田OB会長 野球部復活の前に学校存続 春夏7度甲子園優勝も「上の決断に委ねるしか」
甲子園で春夏通算7度の優勝を誇るPL学園硬式野球部のOB懇親会が12日、大阪市内のホテルで開催され、会長の巨人・桑田真澄2軍監督(56)が、学校が存続危機に立たされている現状を説明した。生徒数は減少の一途をたどっており、現在は中、高ともに1学年1クラスのみ。PL教団側との話し合いで進展もなく、休部となっている野球部復活は厳しい道のりとなっている。
あいさつで壇上に上がった桑田会長は、険しい表情で母校の現状を口にした。「野球部復活の前に、学校自体の存続が非常に厳しい状況だと皆さんにもご理解いただきたいです。PL教団とも継続して話し合いをしておりますが、残念ながら何も進展がない」。宮本慎也氏ら参加した65人のOBは真剣な表情で聞き入った。
現在、高校は1学年1クラス。生徒数は3学年で約40人しかおらず、そのうち男子は20人にも満たないという。硬式野球部員は1人だけだ。中学も同様に3学年で男女合わせて約30人と生徒数の減少は続いている。
20年からPL教団の教祖が不在となっていることが、生徒数の減少に影響を及ぼしているという。桑田会長は「生徒数を増やす方法がない」とし、「上の決断に委ねるしかない」と教団の動きを待つしかない状況となっている。
同部は1956年に創部し、甲子園に春夏通算37度出場。桑田氏、清原氏の「KKコンビ」らの活躍で春夏7度の甲子園優勝を誇る。ただ、2013年の部内暴力がきっかけとなり、16年に休部し、17年には大阪府高野連も脱退している。
これまでOBは復活へ向けて教団へ嘆願書を提出するなど、野球部復活に向けて活動を続けているものの、険しい道となっている。「野球部の絆を絶やすことなくやっていきたい。希望を捨てずに根気よく待ち続けたい」。OB会の会長は今後も桑田氏が担う予定。名門復活の歩みは止めない。
◆主な出席者 中村順司氏(PL学園元監督)、宮本慎也氏(元ヤクルト)、片岡篤史氏(元阪神など)、野村弘樹氏(元横浜)、入来祐作氏(DeNA2軍投手コーチ)