中日・小笠原 メジャー挑戦へ揺れる思い ポスティング期限間近「サインするまで未来わからない」

 中日からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す小笠原慎之介投手(27)が交渉期限を10日後の米東部時間24日(日本時間25日)に控えた15日、自主トレ先の沖縄県北谷町で取材に応じた。同町内の絶景スポット「天国への階段」で遠くを見つめた左腕は期待といら立ち、振れ幅の大きい感情を吐露しながら、来たる未来を想像した。

 小笠原が階段を上がった。レンタカーで向かった先はアグレスタジアム北谷から車で10分ほど。町内を見渡せる絶景スポット「天国への階段」だった。

 「少し気持ちが晴れました」。270段ほど。ランニングする女性とすれ違ってあいさつする。練習後の余暇。沖縄での時間をどう過ごしているのか。

 「いろいろな感情がわいてきますよ。一人でいると『自分とは』みたいなことを考えます。トレーニングはこれでいいのかな、とか」

 昨年末には米シアトルの施設「ドライブライン・ベースボール」へ行った。フォーム修正に着手して「予定通り」に、15日に今季初のブルペン入り。捕手を座らせて約30球を投げた。

 やや、ひねりを加えた。「捻転差(上半身と下半身のねじれ)もそうですし、股関節からスピードを生む、そういうことを考えた結果です」。昨季まで4年連続で規定投球回に到達。知識が身についたのを確認し、専門施設に飛び込んだ。理解して納得して、新フォームをなじませている。

 交渉期限まで10日となった。「一人の時間は嫌です。ナゴヤ球場にいたら、もっとナイーブになっていたと思います」。ホテルでは机から動かない。睡眠と栄養の本を読んでいるという。

 食事は「ガソリンの補給のよう」という。味わう余裕を失っている。ランチはタコスと決めた。「昼はタコス、と決めなかったら、何を食べるか考えて練習再開の時間になりそうなんです」。苦笑いした。

 米市場の動きは緩やか。代理人からは期限を目いっぱい使う可能性も指摘されていた。今季の所属先はドラゴンズも選択肢の一つだ。

 「サインするまで、誰にも未来は分かりませんから」

 今季はどこのユニホームを着るのか。ジャイアンツなど複数球団から熱視線を送られている。10日後には判明する結果を今知れるとしたら-。「知りたいです」。この日一番、腹から出た言葉だった。

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