巨人・長野 阿部監督のために!リーグ連覇&日本一で2回胴上げへ「『ピチピチ』の気持ちで(笑)」

 打撃練習に励む長野
 アップ中、新加入の田中瑛(左)に声を掛ける長野
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 25年シーズンに並々ならぬ思いで臨む選手を取り上げるキャンプ企画「今季に懸ける」(随時掲載)。第3回はチームの精神的支柱でもある巨人・長野久義外野手(40)だ。昨年12月に不惑を迎えたベテランが、昨季はCSファイナルSで敗退した悔しさと、阿部慎之助監督(45)を日本一達成で胴上げすることへの熱い思いなどを語った。

 40代となって初めて臨むシーズンも、若々しい雰囲気は変わらない。

 「40歳と言っても急激に何かが変わるわけじゃない。いつも甲子園で(阪神OBの)川藤さんに『まだピチピチやないか!』って言われるので。その気持ちでやるようにしています(笑)」

 プロ16年目。長くプロ生活を続けられていることに「想像していなかった。すぐ終わると思っていたので」と笑う。転機の一つは19年から在籍した広島での4年間だ。

 「カープは特に若い選手がたくさん出ていたので、その中で僕は試合に出ていない時期も多かった。でもみんな、他の選手が打って喜んだりという空気がすごくあって。そういうのをジャイアンツに戻ってきてやるように心がけています」

 巨人での18年までは試合に出続けてきた長野。広島ではベテランという立場の中で、自らができることを模索し続けた。

 「出ない時にどういうことをやるのか、そういうのも考えます。僕もすごくいい勉強させてもらいましたし、すごくいい時間だったなと」

 23年に巨人復帰後はチームも若い選手が増えた。ただ、若手野手が台頭しているかと言えば、そうではないのが現状だ。

 「(坂本)勇人も同じことを言っていたんですけど。若い選手が出てきたって、誰が出てきたの?と。いいものを持っている選手はめちゃくちゃいる。ひと皮むけたら、少しのきっかけですごく伸びる。そういう時期に何か僕にできることがあれば、伝えられることは伝えたりします」

 期待すればこそ「まだ負けられない?そうですね。『うわっ、来たな』みたいな選手はまだいないので」と物足りなさも感じる。だからこそ坂本や長野といったベテランは勝利に不可欠な力だ。ただ、個人成績に目を移せば昨季は54試合で打率258、0本塁打、14打点。決して満足のいく成績ではなかっただろう。

 「去年はホームランを打ってなかった。それが一番残念でしたね。ホームランは試合をひっくり返したり、負けていても一発で球場全体の流れが変わったりする。そういうホームランを打ちたいと思うし、いいところで打点を挙げられるようにと考えています」

 代打が主戦場となり「いい場面で去年も使ってもらっている。今年もいい場面でいくのであれば頑張って打ちたい」と勝負を決める1本にこそ、強いこだわりを持つ。

 そして阿部監督への思いも-。現役時代からグアム自主トレなどに帯同し、兄のように慕う存在だ。今も「選手のころのまま、本当に頼れる兄貴分みたいな感じ」という。

 「若いころから面倒を見てもらった。監督のためにという気持ちは僕も勇人もすごく持っている。僕たちでとにかく盛り上げられるようにやろうと思っています」

 監督就任直後に食事をともにし『今までやってきたことを若い選手へ伝えることも頼む』と託された。そして『とにかく思い切って好きにやれ』とも。その背中を見せるべく、今キャンプでは調整を一任されたS班で黙々と準備を進める。

 「調整を任されているということは、責任があるということ。任せて良かったと思ってもらえる、そういう動きを見せられるようにトレーニングをしていきます」

 目標はただ一つ。「阿部監督の胴上げを2回したい」ということだ。

 「去年はCSで負けて、優勝したのに全然うれしくなかった。最後に勝って終わらないと。銀座パレードを若い子たちに経験させたいです」

 12年の銀座パレードを経験した選手は今や長野と坂本のみ。仲間ともう一度、あの景色を見たい。それが最大の望みだ。

 「(田中)将大が23勝しますよ。あと3勝で200勝。プラス20勝です」と新加入の田中将にも“らしい”言葉で期待を表す。チームの隅々に視線を送り、気を配る。今季のチームを支えるのは間違いなく、円熟の時を迎えた背番号「7」だ。

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