楽天・ドラ1宗山 圧巻デビュー!2安打1盗塁無失策 四球も選んで全3打席出塁「やっぱり試合になると楽しい」
「練習試合、楽天4-6日本ハム」(11日、金武町ベースボールスタジアム)
楽天のドラフト1位・宗山塁内野手(21)=明大=が11日、日本ハムとの練習試合で圧巻の2安打1盗塁2得点デビュー。「1番・遊撃」として臨んだ初陣で大暴れした。昨秋ドラフトで5球団が競合した逸材は本物。6457人の観衆から惜しみない拍手が送られた。
快晴の金武で、宗山は最高のスタートを切った。打ってよし、走ってよし、守ってよし、見てよしの4拍子。「やっぱり試合になると楽しい。その環境は当たり前ではないので、自分がプレーできていることを幸せに感じてできていると思います」。声援に感謝し、拍手には結果で応えた。
「1番・遊撃」で迎えた待ちに待ったデビュー戦だ。1月の新人合同自主トレから一歩ずつ着実に準備を進めて立った舞台でもある。「体の不安もなく、しっかりとここにまず入れたことは良かった」と幸せをかみしめ、1打席目から持ち味をいかんなく発揮した。
まずは初回。1ストライクからの2球目、高めの直球を振り抜いた。二遊間をしぶとく抜ける打球でいきなりともした初めての「H」ランプ。“初安打”を放つと、三回にはフルカウントから四球を見極め、次打者・小深田の3球目で積極的にスタートを切り二盗にも成功。「思い切っていった」と積極プレーが期待感を加速させた。
さらに五回には日本ハム・ザバラの150キロを振り抜いた。遊撃強襲の打球は中堅方向に抜け、プロデビュー戦はマルチ安打の快調発進。また3度の守備機会も難なくクリアし、堂々としたプレーで安定感さえ見せた。だが、宗山自身は「まだまだ捕れて当たり前の打球。逆にそこができなくなるとショートは厳しい」と足元を見つめる。
六回の守備から交代となりお役御免。一足先にデビュー戦を終えると、その回から登板した同期入団のドラ4・江原が三者凡退に抑える好投を見つめた。互いに初実戦を笑顔で終えると、「ナイスピッチング」と声かけ。同期そろって大きな一歩目を踏み出した。
初もの尽くしの一日になったが、宗山が目指す場所はさらなる高みにある。試合後には特守でダブルプレーの際のスローイングを繰り返し練習。並行して体作りに励む意志もある。「開幕っていうところが一番ピークに持っていくところかなと思うので、そこに向けてやっていければなと思っています」。ゴールデンルーキーが魅せた華々しいデビュー。だが、これはまだ始まりに過ぎない。
◇宗山塁(むねやま・るい)2003年2月27日生まれ、21歳。広島県出身。175センチ、79キロ。右投げ左打ち。内野手。広陵、明大を経て24年度ドラフト1位で楽天入団。明大では1年春途中からレギュラーをつかみ、2年春は打率・429で首位打者。ベストナインは4度。大学通算成績は88試合で打率・344、10本塁打、60打点。通算安打数はリーグ歴代7位の118安打。