健大高崎・石垣 藤浪超え春最速155キロ「まだまだ出る」平均球速驚異の153・1キロ 花巻東破って4強入り
「選抜高校野球・準々決勝、健大高崎9-1花巻東」(26日、甲子園球場)
準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。大会連覇を目指す健大高崎(群馬)は、左脇腹の故障から復帰した石垣元気投手(3年)がセンバツ最速を更新する155キロを連発。12年の大阪桐蔭・藤浪晋太郎(現マリナーズ)らの153キロを上回る剛球で花巻東(岩手)を破った。横浜(神奈川)は西日本短大付(福岡)を下し、06年以来19年ぶりの4強進出。智弁和歌山、春夏通じて初出場の浦和実(埼玉)も準決勝へ駒を進めた。28日の準決勝は健大高崎-横浜、智弁和歌山-浦和実で行われる。
剛腕をうならせた。試合を締めたのは渾身(こんしん)の155キロ。場内のどよめきも、歓声も、自分のものだ。「すごく楽しめています」。石垣は季節外れの日差しが赤く染めた頬を緩めた。驚異の投球で2年連続の4強入りだ。
「流れがずっと良かったので、それに乗って自分もゼロに抑えようと準備をしていました」
聖地が衝撃に包まれたのは八回だ。登板直後の1球目でいきなり大会タイ記録の153キロをマークすると、2人目の打者への初球だった。外角高めへの直球は、大会記録を2キロ更新する155キロ。スタンドからは驚きの声が上がった。
それだけでは終わらない。続けて155キロを投じ中飛に。次打者への初球も155キロでストライクを奪った。ただ、4連続の155キロは中前打とされ「ストライクを入れに行こうと思った球だったので、もったいなかった」と反省。それでも続く打者を空振り三振に仕留めてゼロを刻んだ。
九回は三者凡退。最後の1球も「真っすぐで三振を取ろうと」とギアを上げ、155キロで空振り三振を奪った。2回戦は1人の打者に5球のみだったが、この日は2回を無失点。計27球中、直球は18球で、平均球速は153・1キロ(1球計測不明)と驚きの数字だ。
「いつもより指にボールがかかっていたので、出るかなと」。昨年からセンバツ大会での155キロを宣言していた右腕は「出せてうれしい」と笑いつつ「まだまだ出る」と向上心をのぞかせた。
球速だけではなく、球質の向上を目指して“球児流”を封印した。昨夏まで直球は、阪神・藤川監督の現役時代と同じく、人さし指と中指をそろえる握り。だが、現在は2本の指を少し離すように改良し、回転数は100上がって約2100回転に向上した。ただ、目指すのは「手元で伸びる」“火の玉”であることには変わりない。「直球は生命線」とこだわり続ける。
次に対するのは昨秋の関東大会決勝で敗れた横浜だ。「本当は決勝でやりたかったんですけど…」と苦笑いしつつ、「連覇しか狙ってない」と右腕。史上4校目となる春連覇へ、大きな壁も撃破する。
◆石垣 元気(いしがき・げんき)2007年8月16日生まれ、17歳。北海道登別市出身。180センチ、78キロ。右投げ両打ち、投手。市立西小1年時に柏木ジュニアーズで野球を始め、西陵中では洞爺湖シニアに所属。健大高崎では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒2、遠投110メートル。
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