【解説】広島・中村奨成の激変打法に内田順三氏も驚き「彼はつかんだ。フロックではない」「あれだけ大胆に変えたのは勇気がいったはず」
広島・中村奨成外野手(25)が絶好調だ。ここまで17試合に出場して打率・367。直近4戦連続の1番起用で17打数9安打と勢いが止まらない。ドラフト1位での入団から8年目、逸材がついに覚醒するのか。広島、巨人、ロッテでもコーチを務めた打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)は「彼はつかんだね。フロックではない」と、今後の活躍にも太鼓判を押した。
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もともとファームでもコンタクト率が高く、1軍レベルのスイングをしていた選手。ただ、何回もチャンスをもらいながら結果を残せず、1、2軍を行ったり来たりしていた。今年は崖っぷちと言えるシーズンとも思うが、ここまでを見ていて彼はつかんだね。
開幕後に1軍に上がってきて驚いたが、フォームが大きく変わっていた。オープンスタンスとなり、左足を上げてしっかりベース方向に踏み込んでいく。ステップ幅も大きくなく、体重移動もスムーズ。形は違うけどイチローの振り子打法のようなイメージで、しっかり間合いが取れるようになった。
バットを肩に乗せながら構え、肩から離してシンプルにそのままバットを出すところも以前とは違う。バットの軌道がボールに向かって線で入り、面で捉えられているね。明らかに変化しているし、よりコンタクト率が上がった。バウアーからも3安打しているように、決してフロックではない。誰かに助言をもらったのかどうかは分からないが、あれだけ大胆に変えるのは勇気がいったはずだ。
打席での目つきもいいよね。いい意味で余裕を感じられ、初球から積極的に振っていけるし、追い込まれて逆方向に打つこともできる。どの球種に対しても、自分のスイングができているよね。足もあって走塁技術も高いし、1番打者として申し分ない。
13日から秋山、モンテロが戻ってくるということで、新井監督がどう起用していくか。ファビアン、末包、中村にしても今の状態なら外しにくいとは思うが、仮に秋山や野間がベンチにいるのなら層も厚くなる。長いシーズン、状態を見ながら右左で使うこともできる。いずれにしろ、中村は恐怖心を持たずこのまま自分のスイングをしていってほしいね。





